
イングリッシュコッカースパニエルはどんな性格?飼い方や毛色、しつけなどをドッグトレーナーが解説
イングリッシュコッカースパニエルは「インギー」の愛称でも呼ばれている、明るく元気いっぱいな犬種です。長くきれいな被毛と特有の「ローン」という毛色が魅力的ですが、美しいだけではありません。元は猟犬として活躍していたため、賢く、運動能力が高い犬種です。今回は、イングリッシュコッカースパニエルの性格やしつけ方などをドッグトレーナーの長根が紹介します。
イングリッシュコッカースパニエルの基礎知識
英語表記 | English Cocker Spaniel |
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原産国 | イギリス |
サイズ | 中型犬 |
体高 | 38~41cm |
体重 | 13~15kg |
寿命 | 13~14歳 |
イングリッシュコッカースパニエルの「コッカー(Cocker)」は、鳥のヤマシギ(Woodcock)猟で使われていたことに由来し「スパニエル(Spaniel)」は鳥猟犬の総称です。
イングリッシュコッカースパニエルの歴史
イングリッシュコッカースパニエルは名前の通り、イギリス原産の犬種です。スパニエル犬種は、イギリス・ウェールズの王であったハウエル善王(在位:942〜950年)の法典に「王のスパニエルは1ポンドの価値あり」と書かれているのが最も古い言及で、この犬は「ランド・スパニエル」だと考えられています。
ランドスパニエルは、イギリスの多くのスパニエル犬の祖先であると考えられていて、イングリッシュコッカースパニエルの祖先でもあるといわれています。
また、一説にはフランスのブリタニースパニエルが祖先犬で、その犬にトイ・スパニエルのブレンハイムの毛色の犬を交配したともいわれています。
イングリッシュコッカースパニエルは鳥猟犬で、ヤマシギを飛び立たせたり、撃ち落した獲物の回収をしたりと活躍していました。
1946年イングリッシュコッカースパニエルはアメリカの血統書団体に正式に認められ、その後はドッグショーによって広く知られるようになり、人気の犬種となりました。
イングリッシュコッカースパニエルの毛色
主な毛色は「ブラック」「ブラック&タン」「レッド」「ブルーローン」「オレンジローン」です。ブラック
ブラック&タン
レッド
ブルーローン
イングリッシュコッカースパニエルの性格や特徴
性格
イングリッシュコッカースパニエルは明るく活発な性格をしています。穏やかな面もあり、飼い主に対しては愛情深いです。
特徴
小柄ですが、しっかりとした体つきで、バランスのいい体型をしています。垂れた長い耳と美しい被毛が特徴です。被毛はロングコートのダブルコートで少しウェーブがかかっています。
イングリッシュコッカースパニエルに似ている犬種
アメリカンコッカースパニエル

イングリッシュに対して、アメリカンのコッカースパニエルはまず、名前の通り、イギリス原産かアメリカ原産かという違いがあり、起源や役割も同じです。
見た目の違いは、頭の形と胴の長さです。
比べてみてわかる程度の違いですが、アメリカンコッカースパニエルは頭部にはっきりとした丸みがあり胴が短く、イングリッシュコッカースパニエルは頭部にはっきりとした丸みがなく胴が長いという違いがあります。
イングリッシュスプリンガースパニエル
スプリンガースパニエルとコッカースパニエルは、19世紀まで同じスパニエル種として扱われていました。それくらい見た目はそっくりで、どちらも長くウェーブした毛と長い耳が特徴的です。
違いは体高で、成犬になるとスプリンガースパニエルは約50cmで、コッカースパニエルは約40cmになります。
コッカースパニエルはブラックタンやトライカラーなど、スプリンガースパニエルよりもさまざまな毛色を持っています。
なかでも「ローン」という、コッカースパニエル特有の模様は、1匹ずつ異なりバリエーション豊かです。
イングリッシュコッカースパニエルの育て方
運動量の多い犬種です。毎日の散歩はもちろん、家の中で遊んであげたり芸を教えたりしましょう。体を動かすことも大切ですが、頭を使わせることも犬にとっては大切で、楽しいことです。
イングリッシュコッカースパニエルのしつけ方
元気いっぱいで興奮しやすい犬種のため「オイデ」や「フセ」「マテ」など落ち着くための行動を教えておきましょう。「リードをうっかり離してしまった」「遊んでいたボールが車道に出てしまった」などの危険な場面でも、その場で「マテと言ったら止まってくれる」「オイデと呼べば戻って来てくる」ことができれば、最悪の事態を防ぐことができます。
イングリッシュコッカースパニエルのお手入れケア
イングリッシュコッカースパニエルは長毛で、ダブルコートで毛玉ができやすいです。定期的なブラッシングやトリミングが必要です。長く垂れた耳は蒸れやすく、炎症が起きやすいため、こまめに拭いてあげましょう。
また、水を飲む時やご飯を食べる時に汚れやすいため、スヌードなどを利用するといいでしょう。
イングリッシュコッカースパニエルがかかりやすい病気
イングリッシュコッカースパニエルは、先天性の疾患である「肺動脈狭窄症」や、心臓の機能障害を起こす「拡張型心筋症」「白内障」、光を感じる網膜が正常に働かなくなる「進行性網膜萎縮」遺伝的に股関節が不安定な「股関節形成不全」などに注意が必要です。また「皮膚炎」「外耳炎」もあわせて気を付けたい病気です。
イングリッシュコッカースパニエルの迎え方
一度家族に迎えたら、子犬から老犬になっても大切に、命に責任を持ちましょう。白髪も生えれば、病気にもかかるかもしれません。お金がかかるのは家族に迎える時だけではないことを踏まえ、もう一度考えた上で迎えることを検討してください。
保護犬から迎える

保護され、里親を探している犬は雑種だけでなく、血統書のある犬も多くいます。
ペトコトの姉妹サイトである保護犬・保護猫マッチングサイト「OMUSUBI(お結び)」も、ぜひ覗いてみてください。
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ブリーダーから迎える
好きな毛色や、血統など気にするのであれば、信頼できるブリーダーから迎えるという方法もあります。実際に見学に行き、どんな環境で飼育されているのかを確認することも必要ですが、飼う上でのアドバイスも直接聞くことができます。
ペットショップから迎える
ペットショップでは生後2~3カ月ごろの販売が多く、4カ月を過ぎてくると値段がだんだんと下がってくることがほとんどです。月齢やペットショップによって大きく異なりますが、一般的な価格の相場は20~40万円ほどです。
イングリッシュコッカースパニエルと楽しい暮らしを!
物を回収する習性と、フレンドリーな性格のイングリッシュコッカースパニエルと「取ってこい遊び」は相性抜群です。愛犬のストレス発散・運動になり、さらに飼い主も楽しむことができます。遊びの中で飼い主との絆を深めてみてはいかがでしょうか。
参考文献