犬の年齢を人間に換算すると何歳?サイズだけでなく、トイプードル、チワワなどの犬種間にも差
犬の平均寿命は14〜15歳ほどと言われており、人間よりも早いスピードで年を取ります。同じ犬でも、年を取るスピードや人間の年齢に換算したときの年齢は、小型犬や大型犬などサイズの違いや、トイプードルやチワワ、柴犬など犬種間でも差があるといわれています。今回は、犬の年齢を人間の年齢に換算した際の目安について紹介します。
犬の年齢を人間に換算すると?
小型犬・中型犬と人間の年齢換算表
小型犬・中型犬は、幼齢期に歳を取るスピードが早いのが特徴です。1歳の時点で人間の15歳ほどにあたり、2歳になった時点で人間の成人を超えて24歳となります。その後はスピードが穏やかになり、1年で4歳ずつ歳を取ります。
1歳 | 15歳 |
2歳 | 24歳 |
3歳 | 28歳 |
5歳 | 36歳 |
7歳 | 44歳 |
10歳 | 56歳 |
12歳 | 64歳 |
15歳 | 76歳 |
参照:環境省「捨てず 増やさず 飼うなら一生」
大型犬と人間の年齢換算表
大型犬は、小型犬・中型犬より幼齢期に歳を取るスピードが少し遅いのが特徴です。1歳の時点で人間に換算して12歳で、2歳でも19歳です。しかし、その後は1年で7歳ずつ歳を取ります。
大型犬は15歳になると、人間の年齢で110歳ほどとなり、小型犬・中型犬は76歳のため、歳を取るとサイズの違いで寿命の差が大きく出ることが分かります。
1歳 | 12歳 |
2歳 | 19歳 |
3歳 | 26歳 |
5歳 | 40歳 |
7歳 | 54歳 |
10歳 | 75歳 |
12歳 | 89歳 |
15歳 | 110歳 |
参照:環境省「捨てず 増やさず 飼うなら一生」
種類別・犬の年齢表
ロンドン自然史博物館は、犬種によっても人間と対応する年齢が違うと説明しています。ここでは、代表犬種ごとの年齢を紹介します。ポメラニアン
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ポメラニアンは小型犬であるため、3歳頃までに人間の30歳手前、10歳頃には人間で言う55歳程度の年齢に到達すると考えられます。
ミニチュア・ダックスフンド
2歳の頃は人間における25歳までといわれており、そこから1年ずつ人間の4.32歳分の歳を取るといわれています。
つまり、ダックスフンドの年齢が3歳だとすると、25歳に4.32歳を加算し、人間における29.32歳になります。
ビーグル
ビーグルも小型犬のため、3歳から1年ずつ人間の5.2歳ぶんの年齢を重ねていくといわれています。
ビーグルの3歳は人間でいう30.2歳。子犬だと思っていても、すっかり大人の年齢なのです。
チワワ
日本でもすっかり人気犬種となったチワワは3歳から1年ずつ人間の4.87歳ぶん歳を重ねます。つまり、チワワの3歳は人間の29.87歳に該当します。
キャバリア
キャバリアは小型犬でありながら、他の小型犬よりも歳を取るのが早く、3歳から1年ずつ人間の5.77歳ぶんの歳を取ります。
同じ小型犬でも、ミニチュア・ダックスフントやチワワとは違う結果になるようです。
トイ・プードル
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残念ながらロンドン自然史博物館が発表しているデータの中にトイ・プードルはありませんが、小型犬であることから、先ほど参考にした環境省とのデータを組み合わせると、3歳で人間の28歳程度の年齢と同じであると考えられるでしょう。
柴犬
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残念ながらロンドン自然史博物館が発表しているデータの中に柴犬はありませんが、同じ中型犬のスパニエルは2歳で人間で言う21歳、3歳からは1年ずつ人間の5.46歳分、歳を取るというデータがあります。
そのため、3歳で人間の26〜27歳であると考えていいでしょう。小型犬よりも年齢の進みは遅いことが分かります。
歯を見ると犬の年齢が分かる?
犬の年齢がわからないとき、有効な判断材料となるのが「歯」です。
ドッグフードなどによる歯のすり減り具合や歯石などを見て、ざっくりと年齢を推測することができます。
- 〜8週間:全ての乳歯が生えている
- ~4カ月:永久歯と乳歯が混同する
- 〜7カ月:全て永久歯になっていて、白くてきれい
- 1~2歳:歯が少しくすんできて、奥歯がやや黄色い
- 3~5歳:全ての歯に歯石が付いている
- 5~10歳:歯石が多く、歯周病などの兆候がある
- 10~15歳:歯はかなり磨耗していて、抜けそうだったり歯石がびっしり付いている歯がある
その他にも骨格や筋肉の発達具合から年齢を推測することができるため、気になる場合は動物病院で診てもらいましょう。
何歳からシニア犬?高齢化のサイン
一般的に「シニア犬」と呼ばれるのは小型犬・中型犬だと10歳前後、大型犬だと7〜8歳からと考えられています。
ただし、個体差があるため、ここではシニア犬に見られる特徴を紹介していきます。
散歩に行きたがらない
「散歩に連れて行っても喜ばない」「散歩の途中で止まる」などの行動が見られたら、それは老化による体力低下が原因かもしれません。体力がないとはいえ、運動不足を解消することは重要です。散歩コースを短めにしてみたり、散歩のご褒美におやつをあげたりなどの工夫をしてみましょう。
体の痛みが原因で散歩をしたがらない可能性もあるため、心当たりのある場合は病院へ連れて行きましょう。
寝ている時間が増える
体力の低下などにより睡眠時間が長くなる場合があります。また、歳を取るにつれていびきをかくこともあります。シーズーやブルドッグなどの短頭種は元々いびきをかきやすい犬種ではありますが、高齢に伴ういびきは、気管虚脱という病気の可能性もあります。
目が白く濁る
両目が白く(または青白く)濁ってきた、という症状が見られたら「核硬化症」もしくは「白内障」の恐れがあります。<核硬化症>
水晶体の中心部(核)が老化によって透明度が落ち、光があたることで白く濁る症状です。この症状によって視力を失ったり、痛みが伴ったりすることはありません。老化現象の一つです。
<白内障>
何らかの原因で水晶体が白濁し、視力を失う病気です。白内障自体に痛みは伴いませんが、角膜に「ぶどう膜炎」という炎症が起きると痛みを伴い、充血や涙を流すことがあります。「見えていないかもしれない」と思ったら、すぐに病院へ連れて行きましょう。
白内障は老化現象だけでなく、子犬も発症する可能性があります。
耳が遠くなる
数年前に比べて耳が遠くなってきたと感じたら、老化による難聴だと捉えていいかもしれません。犬の老化は、目・耳・鼻の順番に起こると言われていますが、耳が前より聞こえなくなってしまったら、対面のコミュニケーションを増やすように意識しましょう。
老化による難聴の他に、外耳炎や腫瘍による難聴なども考えられます。他に老化現象が見られない、急に耳が聞こえなくなったなどの違和感を感じたら、病院へ連れて行きましょう。
白髪が増える
人間と同じく、老化によって白髪が生える場合があります。抜いてしまうと皮膚を傷つけてしまい皮膚炎につながる恐れがあるため、そのままにしておきましょう。また、ストレスによって白髪が生えることもあるので、そこまで年を取っていないのに白髪が目立つようになった場合、犬の周りの環境を見直すことも重要です。
歯が抜けるなどの口の症状
犬は口の中も老化現象が起こります。「歯が抜ける」「歯石が目立つ」「食事をするときに痛がる(あまり食べたがらない)」「口臭が強くなる」などの症状が気になったら、一度動物病院で診てもらいましょう。老化による症状ではありますが、重病化する前に獣医師さんに診てもらうことをおすすめします。
まとめ
小型犬・中型犬は、1歳で人間の15歳、2歳で24歳、その後は1年で4歳ずつ歳を取る
大型犬は1歳で人間の12歳、2歳で19歳、その後は1年で7歳ずつ歳を取る
犬の年齢は、身体の大きさだけでなく犬種によっても異なる
犬は、人の4〜7倍のスピードで歳を取ります。
人間と同じように考え、まだ若いからなどと思わず、高齢化のサインを見逃さないようにしましょう。
参考文献