【獣医師執筆】犬に人間用のアイスはNG!注意点や下痢の場合の対処法を解説

佐藤貴紀

獣医師/循環器科担当/認定医

【獣医師執筆】犬に人間用のアイスはNG!注意点や下痢の場合の対処法を解説

アイスを食べていると犬が物欲しげに見つめてきて、つい自分のアイスをあげてしまう……なんて経験はありませんか? 人間が食べているアイスは糖分が非常に多いため、犬に肥満を招きます。また乳糖不耐症(乳糖を分解できない体質)によって下痢をしてしまったり、吐いてしまったりすることもあります。今回の記事では人間が食べるアイスの主な成分と、アイスの代わりに犬を喜ばせるひんやりおやつを紹介します。

目次
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犬用アイスなら食べても大丈夫

チョコレートアイス

犬は犬用のアイスであれば食べても大丈夫ですが、人間用のアイスやアイスキャンデーを与えるのはNGです。人間用のアイスは犬にとってカロリーや脂質、糖分が多すぎるためです。

中には犬が中毒症状を起こす可能性があるチョコレートやマカダミアナッツなどが含まれる場合もありますし、牛乳を使っている場合、乳糖によってお腹を壊す可能性もあります。

アイス(高脂肪) ラクトアイス 牛乳
エネルギー 205kcal 217kcal 61kcal
脂質 12.0g 13.6g 3.8g
糖類 23.6g 21.8g 5.3g
乳糖 4.3g 4.5g 4.4g
※各100g当たり、参照:「食品成分データベース」(文部科学省)

犬にアイスをあげる際の注意点

アイスを舐めようとする犬
人間用のアイスには犬にとっては不要の成分が含まれています。糖分や乳製品の成分は体の不調を引き起こすきっかけになりうるので、それぞれの影響を把握し、注意してあげましょう。もし舐めたり、食べてしまった場合は、ワンちゃんの体調を気遣いながら、様子を見てあげましょう。

アイスの糖分は肥満の原因に

犬は味覚の中で甘味への反応が強いため、甘い食べ物を好みます。糖分を多く含む人間用のアイスには目がないのはそのためです。しかし犬にとって糖分の過剰摂取は肥満の原因になり、さまざまな健康被害の原因にもなります。もしアイスをあげるとしても、人差し指に少しつけて舐め取らせる程度で十分です。

乳糖不耐症:嘔吐や下痢の原因に

人間でも牛乳などの乳製品を摂るとお腹の調子が悪くなる人もいると思いますが、犬にも同様の症状が起こります。多くの乳製品には乳糖が含まれており、体の中で乳糖を分解するためにはラクターゼという消化酵素が必要です。しかし犬は乳糖を分解できない体質の子が多いため、胃腸が不調になり下痢や嘔吐を引き起こしてしまう可能性があります。

乳製品アレルギー

犬によっては食物アレルギーで乳製品に反応してしまう子がいます。初期の症状として皮膚の疾患が現れる可能性が高いので、フケが出たりずっと肌をかゆがっていたりしていたら、早めに病院に相談しましょう。食物アレルギーの場合、原因となるものを取り除いてあげれば問題はありません。

人間用のアイス以外でも涼を楽しめる!

自分のアイスをあげてペットの体調を心配をしなくても、他の方法で犬に涼を分けてあげることはできます。

犬用アイス・シャーベット

最近では犬用のアイスやシャーベットが販売されています。飼い主さんがアイスを食べるタイミングで一緒にあげると、ワンちゃんも喜んでくれるでしょう。また夏のアイスは水分補給の一環にもなるので、太らない程度に与えてあげてもよいでしょう。

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ヨーグルト

ヨーグルトに含まれている乳酸菌が、乳糖不耐症の原因になる乳糖の一部を分解してくれるので、下痢などの症状を起こしにくいとされています。カリウム、カルシウム、ビタミンB1、ビタミンB2といった栄養素が豊富に含まれています。

冷凍した果物

バナナやリンゴ、いちごなど犬に与えてよい果物を凍らせて与えるのもよい方法です。しかし氷と同じように、与えすぎは胃腸を冷やしてしまう原因になるので気をつけましょう。

ヨーグルトアイス

まずバナナ、いちご、スイカなど犬に与えても大丈夫なフルーツを50g、無糖ヨーグルト50g、スキムミルク大さじ1杯を用意します。

  • フルーツ(50g)をボールに入れすりつぶす
  • ボールに無糖ヨーグルト(50g)とスキムミルク(大さじ一杯)を入れる
  • ボール内でよく混ぜる
  • タッパーや製氷皿などの容器に入れ、冷凍庫でかためて完成

まとめ

見つめるコーギー
下痢や肥満のリスクがあるため人間用のアイスをあげるのは控えたい
凍らせたフルーツや犬用アイスがおすすめ
アイスを食べている時に愛犬がつぶらな瞳で見つめてくると、分けてあげたくなるのが飼い主の性です。幸せな時間を共有し、かつ犬の健康を守るための方法もあることをこの記事から見つけていただけると幸いです。

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