【獣医師執筆】犬はきな粉を食べても大丈夫!栄養素や与える際の注意点を解説
日本の甘味によく登場する「きな粉」。ほどよい甘みを好んで、よく食べるという方も多いかと思います。身近な食べ物なだけあって、飼い主さんが食べていたお菓子のきな粉を愛犬が食べてしまったり、逆に飼い主さんが「犬にきな粉をあげてもいいのかな?」と思ったりすることもあるかもしれません。今回は、犬はきな粉を食べても大丈夫なのか、きな粉に含まれる成分や効能、レシピなどを紹介します。
犬はきな粉を食べても大丈夫!
犬はきな粉を食べても大丈夫です。大豆からできているきな粉は植物性タンパク質が豊富で、犬にとっても栄養価の高い食べ物です。きな粉は大豆を細かくしたものなので、大豆よりも栄養を吸収しやすいのが特徴です。
ただし、きな粉には犬には多すぎる量の砂糖が含まれています。犬にきな粉を与える場合は、無糖のものを選ぶようにしましょう。
犬が食べて大丈夫なきな粉の栄養素
きな粉には、タンパク質のほかに、食物繊維やミネラル、多価不飽和脂肪酸などが含まれています。
タンパク質
きな粉には多くのタンパク質が含まれています。タンパク質は、人間だけでなく犬にとっても、丈夫な体作りのために必要な栄養です。しかしタンパク質は体内では生成されないので、食品などから摂取する必要があります。食物繊維
きな粉は食物繊維も豊富に含みます。胃腸の調子を整える効果がある食物繊維は、便秘予防などに効果があります。食物繊維もタンパク質と同じく体内では生成されないので、食品などから摂取する必要があります。ミネラル
きな粉はミネラルの中でも、代謝に関わるマグネシウム、骨を強化する効果があるカルシウムやリン、酸素の体内運搬に関わる鉄などを含みます。多価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸も、きな粉に含まれる成分の一つです。多価不飽和脂肪酸は「オメガ3脂肪酸」と「オメガ6脂肪酸」に分けられ、オメガ3脂肪酸は酸素の体内運搬に、オメガ6脂肪酸は血中コレステロールの低減やアレルギーの改善、皮膚・被毛の状態改善などに効果があります。犬へのきな粉の与え方
まず前提として、犬は総合栄養食のごはんを与えていればそれ以外の摂取は必要ありません。そのため、栄養成分が壊れない、カロリー過多にならない程度に、おやつやトッピングとして与えてましょう。総合栄養食へのトッピングやおやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。
おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。1日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。
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きな粉ミルク
きな粉とヤギミルクを混ぜた「きな粉ミルク」は、粉であるきな粉を液体の状態で摂取できるので、犬も食べやすくなります。ヤギミルクに少量のきな粉を溶かしてあげましょう。ただし犬は牛乳の消化が苦手です。牛乳は与えないよう注意しましょう。
ドッグフードにトッピング
きな粉をドッグフードにトッピングして与えるという方法もあります。きな粉は粉状の食べ物ですので、特にパグやフレンチブルドッグなどの短頭犬種はむせてしまわないように、水に溶いてからドッグフードにかけてあげると安心でしょう。犬にきな粉を与える際の注意点
01【犬にきな粉を与える際の注意点】アレルギー
きな粉は大豆が原料のため、アレルギーの可能性はあります。一方でアレルギーテストで陽性が出たからと言って食べてはいけないわけではありません。初めて食べる場合は少量にして、アレルギー症状が出ていないか確認するようにしてください。アレルギーの場合、以下の症状が発現する可能性があります。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚の痒み
- 元気がない
- 目の充血
食物アレルギーは摂取後すぐに症状が現れるわけではなく、数日たってからという場合もあります。アレルギー症状が疑われる場合は、動物病院に相談するようにしてください。
02【犬にきな粉を与える際の注意点】大量摂取
栄養が豊富に含まれているきな粉ですが、たくさんあげてもいいというわけではありません。たんぱく質の大量摂取は腎臓病のリスクにもなり、下痢になる可能性もあります。犬の大きさなどにもよりますが、基本的には数グラムをおやつ程度に与えるにとどめましょう。また、初めて与える際は少量にし、摂取後に様子を見られるときに与えましょう。
総合栄養食へのトッピングやおやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。
おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。1日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。
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犬はきな粉を使った加工食品を食べても大丈夫?
きな粉クッキー
きな粉を練り込んで焼き上げたクッキーは、栄養も摂取できるおやつとして活躍してくれるかもしれません。飼い主さんの中には、きな粉・薄力粉・油・水などを使ってご自身でクッキーを焼く方もいらっしゃるようです。
人間用のクッキーは脂肪分や糖分など犬には過剰な成分が含まれている場合がありますので、愛犬に食べさせてあげる場合は犬用に作られたものをあげるようにしてください。
きな粉もち・だんご
弾力と粘り気のあるもちやだんごは、犬が上手に食べられない可能性があります。のどに詰まらせたりむせてしまったりする危険性がありますし、黒蜜は糖分過多になるため、与えるのはおすすめできません。また、きな粉ヨーグルトも同様です。
まとめ
便秘予防、皮膚・被毛の状態改善といった効果が期待できる
犬に与える場合は無糖のものを
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