
当たり前だった日常を奪う地震や洪水、噴火といった自然災害。被災したときに怖いのは自分と大事なペットを守れるかどうかではないでしょうか?本稿では、過去の災害で起こったペットの被災状況や課題などを紹介します。過去の課題を生かして、ご自身にあった備えの参考になれば幸いです。
この記事のまとめ
- 三原山噴火から能登半島地震まで、過去の災害でペットに何が起きたかを振り返る
- 能登半島地震では保護された猫291頭のうち飼い主に返れたのはわずか2頭
- マイクロチップは装着だけでなく、環境省のデータベースへの登録まで必要
- 支援物資が届いたのは発災17日後。不足したのはフードよりペットシーツだった
- ケージに慣れていないことが、避難所に入れない理由になっている
過去の災害におけるペットの被災状況や課題
地震や洪水、噴火などの自然災害は「今は大丈夫だろう」と油断している時に起こり、当たり前だった日常を奪うものです。
これまでに発生した災害ではどのような被害や課題があり、教訓・対策としてその後の災害に生かされてきたのでしょうか。
三原山噴火(1986年)
伊豆大島にある三原山で1986年に発生した噴火は、200年ぶりともいわれる大噴火でした。
約1万人の全島民が島外に避難することになりましたが、そのような緊急事態において動物への対応は避難を含め後回しになってしまいました。
飼い主は動物と一緒に避難することが許可されず、やむを得ずペットを置いて避難しました。そのため「放置されてしまった動物を救ってほしい」という声が多く挙がりましたが、一時帰島の際も飼い主はペットを避難所に連れ出すことが許可されず、ペットは島に取り残されました。
都の職員や消防職員が島に出向いて給餌・給水も行いましたが、人手不足などにより十分に対応することはできず、生命力の弱い動物は次々と死んでしまったと記録されています。
当時は「同行避難」や「同伴避難」という考え方、そしてそれに対応するシステムは構築されていませんでした。当時の「ペットの避難」に関する状況は、現在と大きく異なっていたことがうかがえます。
雲仙普賢岳噴火災害(1991年)
雲仙普賢岳噴火災害では大規模な火砕流が発生し、43人の死者と行方不明者が出ました。火山活動の活発化により周辺地域の住民の方々は避難を余儀なくされました。
この際、避難対象区域内に多数のペットが取り残されてしまい大きな問題になりました。それを受けて、長崎県島原保健所からペットと暮らす避難住民に伝えられた項目は以下の通りでした。
- 避難する場合は、安全な場所で飼育管理を行える親戚や知人にペットの飼育管理を依頼すること
- 自力で飼育管理者を探せない場合は、動物病院等で預かるので保健所に連絡すること
- 緊急の避難でやむを得ない場合は、動物の首輪に飼育者の連絡先を記入した名札を着けたうえで放すこと
これらのことから、雲仙普賢岳災害の際にも「同行避難」や「同伴避難」といった考えに基づいた避難は行われていなかったことがうかがえます。
自己申告や聞き取り調査などをもとに飼い主の家に取り残されたペットや離れ離れになったペットと飼い主をマッチングする作業が行われましたが、困難を極めたと記録されています。
阪神・淡路大震災(1995年)
1995年1月17日に発生した大地震は神戸と洲本で震度6を観測したほか、豊岡、彦根、京都で震度5、大阪、姫路、和歌山などで震度4を観測するなど、東北から九州にかけて広い範囲で地震を感じ取れるほどの大きさでした。
この災害による人的被害は、死者6434名、行方不明者3名、負傷者43,792名という極めて深刻な被害をもたらし、ペットも飼い主とはぐれたり負傷したり死亡したりするなど、推定9300頭のペット(犬が4300頭、猫が5000頭)が被災しました。
初期の被災地ではペットに与えるごはんもなければ、負傷動物を手当てする術もなく、飼い主と別れた動物を探す余裕もありませんでした。
当時、避難所に避難した飼い主の多くは迷わず、初めから同行避難してきた記録があります。また、避難所の約8割で動物を飼育できていたとのことから、過去の災害を経て「同行避難」や「同伴避難」の考えが生まれてきたタイミングといえるでしょう。
ただしペットをめぐるトラブルが多発し、避難所の対策本部の責任者の判断でペットと暮らす人たちを全員、避難生活45日目に避難所から退去させることになった事例が一例ありました。
強制退去は一例ですが、避難所でのペットをめぐるトラブルは多発し、ペットのための防災準備や避難所でのペットとの暮らし方に関する啓発や指導の重要性が浮き彫りになりました。
東日本大震災(2011年)
各地に未曽有の被害をもたらした東日本大震災では、災害時におけるペットの避難や動物の管理が大きな課題として浮き彫りになりました。
震災発生時に飼い主が家にいなかったり、一緒に避難できなかったりしたことで多くのペットが家に取り残され、建物の倒壊や津波に巻き込まれて犠牲になってしまいました。
福島第一原発事故という特異な事象も重なり、ペットの野良犬・野良猫化や家畜の野生化も問題になりました。
飼い主とペットが一緒に行動できた場合においても、ペットの受け入れ体制が整っていない避難所が多く、避難する場所やペットのための物資、避難者同士の相互理解、そして避難後にどう飼育していくかなど、さまざまな問題・トラブルが発生しました。
熊本地震(2016年)
東日本大震災での事例を受けて、環境省は2013年に「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を発表しました。その後2018年に改訂され、現在は「人とペットの災害対策ガイドライン」という名称になっています。
動物愛護や飼い主の心のケアなどの観点からペットの同行避難が推奨されました。
東日本大震災で得られた課題を教訓として制度や意識の改善はあったものの、避難所の居心地の悪さからペットと共に車中泊で避難し、エコノミークラス症候群を発症するケースが相次ぎました。
ただ「避難所にペットが入ることを認める」というだけでなく、人とペットが共に過ごすために何が必要なのかという問いが課題として残りました。
能登半島地震(2024年)
2024年1月1日に発生した能登半島地震では、環境省が翌年に「令和6年能登半島地震における被災動物対応記録集」をまとめています。ここには、飼い主にとって重い意味を持つ事実が並んでいます。
まず改善が見られた点です。被害が大きかった奥能登地方は県庁所在地の金沢市から100kmほど離れており、半島という地形のために交通網が寸断されました。一方で、支援の拠点となる石川県庁や石川県獣医師会、県内の動物病院の被害は比較的少なく済みました。その結果、発災から15日目には動物病院での一時預かりや獣医療支援を開始できています。記録集は「東日本大震災や熊本地震では、動物救護の拠点となる動物病院が被災し機能しなかったことを顧みると」と、過去との違いを明記しています。
一方で、避難所の課題ははっきり残りました。環境省が巡回した避難所119ヵ所のうち、同行避難が確認されたのは56ヵ所。避難所にいた飼い主とペットは60組(犬43頭・猫22頭・その他4頭)にとどまりました。多くの自治体が「室内は禁止」「屋外または車中に限る」という方針を定めていたためです。
記録集は、避難所のルールが十分に周知されず、なし崩し的に飼い主と同室になるケースと、反対に受け入れを断られるケースが両方起きていたと指摘しています。在宅避難を選んだ飼い主が挙げた理由にも「避難所はペット不可と断られたから」「ペットがいることで気を遣うから」「ケージに入ったことがない、しつけができていない」といったものがありました。
保護された猫291頭のうち、飼い主のもとに帰れたのは2頭だけ
石川県が保護収容した動物は犬110頭・猫291頭。このうち飼い主のもとへ返還できたのは犬46頭に対して、猫はわずか2頭でした。
理由は所有者明示です。飼い主不明で保護された動物のうち、身元が分かるものを着けていたのは犬10頭だけ。猫は迷子札もマイクロチップもゼロでした。
さらに、マイクロチップを装着していた犬10頭のうち、飼い主が判明したのは3頭。記録集には「マイクロチップは装着していましたが、飼い主情報が登録されていないため、飼い主が判明しなかった事例がみられました」と記されています。
記録集は、能登地方の平時の飼い方をこう記録しています。猫は室内外を自由に出入りできる飼い方が多く、マイクロチップや首輪の装着も少ない。地域猫でもないため所有者がはっきりせず、ケージに不慣れなため避難時に連れ出せなかった——。
犬についても「クレートトレーニング等のしつけがされていない場合が多い」「所有明示がされていない場合が多い」と記されています。
記録集は「平時のペットのしつけや飼養方法が、避難所や仮設住宅でのペットの問題行動へとつながり、飼い主自身の負担になっています」と結んでいます。災害が起きてからできることは、ほとんどありません。
支援物資が届いたのは発災から17日後。足りなかったのはフードではなかった
石川県がケージやフードなどの物資を市町の物流拠点や避難所へ送り始めたのは、発災から17日後の1月18日でした。それまでは、飼い主が自分で用意したものでしのぐしかありません。
そして、もっとも不足して困ったのはフードではなく、ペットシーツやオムツなどの衛生用品だったと記録されています。逆に、届いても使えなかったものとして「大型犬用のドッグフードやミルクなど対象が限定されるフード」「中古の物品や消費期限切れのフード」が挙げられました。
金沢市の事例では、猫用の物品は需要が高かった一方で、犬用の物品は余る傾向にあったといいます。
備蓄というとフードと水に目が行きがちですが、ペットシーツや排泄物の処理用具こそ切らしてはいけない——というのが、能登から得られた具体的な教訓です。
2024年6月、国の防災基本計画にペットの記載が加わりました
能登半島地震のあと、2024年6月28日に「防災基本計画」が修正され、災害時における避難所での家庭動物の受け入れや、飼い主からの一時預かり、獣医師会と連携した動物管理の措置を講ずることが追記されました。
避難所の場所や収容人数とあわせて「家庭動物の受入れ方法」を平常時から住民に周知することも、市町村の役割として明記されています。
制度は少しずつ前に進んでいます。だからこそ、お住まいの自治体が避難所でペットをどう受け入れるのかを、今のうちに調べておくことに意味があります。
令和8年熊本地震(2026年)
2026年7月28日、熊本県で最大震度7を観測する地震が発生しました。気象庁が「令和8年熊本地震」と命名した地震で、熊本県内では2016年の平成28年熊本地震以来、10年3か月ぶりの震度7となりました。
この記事を公開している時点では、まだ復旧の途上にあります。それでも、ペットに関する初動にはこれまでの災害の教訓が形になっていることが見て取れます。
発災の翌日には熊本県が犬猫の相談専用ダイヤルを開設。発災3日後の7月31日には、環境省が熊本県に対して「避難施設・仮設住宅等へのペットの同居について」という依頼文書を出しています。この文書が根拠として名指ししているのが、2016年の熊本地震を踏まえて改訂された「人とペットの災害対策ガイドライン」です。
8月4日には、熊本県獣医師会・熊本県・熊本市による「熊本地震ペット救護本部」が設置され、ペットの一時預かりの受付が始まりました。8月10日には、環境省と熊本県が被災した犬猫の保護情報を掲載するサイトを開設しています。
避難所の対応にも変化がありました。八代市ではすべての避難所で同行避難が可能とされたうえ、飼い主とペットが一緒に過ごせる「同伴」避難所が別に設けられました。氷川町にもペットと入れる避難所があります。宇城市の一時預かりでは、環境省の支援による犬用のトレーラーハウスと、民間団体が用意した猫用の車両が使われました。
「同行避難」と「同伴避難」が県の公式情報の中で明確に書き分けられている点は、言葉の定義が現場に浸透してきたことの表れといえるでしょう。
避難所の開設状況やペットの受け入れ体制、相談会の日程は週単位で変わります。本記事の記載は2026年8月下旬時点のものです。
最新の情報は、熊本県や各市町の公式サイトでご確認ください。熊本県獣医師会によるペットの健康相談会も、被災地域を巡回しながら実施されています。
被災時に起こったペットに関する問題
被災状況によっては日常が日常でなくなり、不便な生活が始まります。ただ、災害を経験したことがないと、具体的に想像することは難しいでしょう。
以下は過去の災害で、実際にあったペットに関する問題です。
災害時の問題
- 家屋の倒壊や倒れた家具によりペットが逃げられず死亡した
- 床一面にガラスが飛散し、人もペットも足にケガを負った
- 外飼い猫のため、被災当日から自宅に戻らず同行避難できなかった
- ペットの受入れ可能な避難所がどこにあるのかわからなかった
避難先での問題
- 避難してしばらく、人の支援物資はあるが、ペットフードの支援はなかった
- 避難所で犬が吠えて迷惑をかけるため、やむを得ず車中での避難になった
- 糞の放置や毛の飛散などが原因で他の避難者とトラブルとなった
- 救援物資のペットフードを食べなくて困った
- 避難所にペットとともに避難したが、特定食(治療食等)の入手に苦労した
- 犬がケージに慣れていないため、過度なストレスを与えてしまった
- 犬がペットシーツに排尿・排便せず、苦労した
- 他人や他の場所、他の動物に慣れないため、どこにも預けることができず苦労した
- 予防接種をしていないペットが多くいたので感染が心配だった
過去に起こった問題を知った上で、自身・愛犬(愛猫)にあった防災対策を心がけましょう。
被災時にペットを守る準備
過去の災害から見えてきた課題は、そのまま「今できる備え」に置き換えられます。グッズ・トレーニング・その他の3つに分けて見ていきましょう。
グッズ
災害へ備えることは、ペットたちのストレスを最小限に抑えるだけでなく、災害時でもペットの健康や安全を守ることにつながります。
定期的にペット用防災グッズの点検や補充を行い、災害への備えを万全にしましょう。フードと水は少なくとも5日分、できれば7日分以上が目安です。能登半島地震では、ペットシーツやオムツなどの衛生用品がもっとも不足しました。あわせて多めに用意しておきましょう。
| 必需品 | ペットの非常食 | 少なくとも5日分 |
|---|---|---|
| ペット用の水 | 少なくとも5日分 | |
| フードボウル | 1点 | |
| 薬・療法食 | 少なくとも5日分 | |
| リード・ハーネス | 1つずつ(リードは伸びないもの) | |
| ペット用キャリー | 1点 | |
| ペット用トイレグッズ | 少なくとも5日分 | |
| ビニール袋・マナーポーチ | 1点ずつ | |
| 防災手帳 | 1点 | |
| 迷子札 | 1点 | |
| ペットの写真 | 1枚(紙とスマートフォンの両方) | |
| あると役立つもの | 布類 | 1枚以上 |
| 靴 | 1点 | |
| お気に入りのおもちゃ | 1点以上 | |
| ボディシートや水のいらないシャンプー | 1点以上 | |
| アルミシート | 1枚以上 | |
| ガムテープ | 1点以上 | |
| 洗濯ネット(猫の場合) | 1点以上 |
しつけ・トレーニング
被災時に大切なのは「必要以上のストレスを与えないこと」「安心できる環境を与えてあげること」です。
想定される事態への耐性をつけておくことで、必要以上のストレスを回避することができます。
| 犬猫共通 | クレートの中で落ち着いて過ごせる「クレートトレーニング」 |
|---|---|
| 犬 | 人や環境に慣れさせる |
| 犬 | 名前を呼んだら戻ってくる「呼び戻し」 |
| 猫 | リードやハーネスに慣れさせる |
能登半島地震では、多くの自治体が「ケージに入れて飼養すること」を避難所での受け入れ条件にしていました。クレートトレーニングは、避難できるかどうかを左右する備えだといえます。
「クレートトレーニング」と「呼び戻し」のトレーニング方法は、以下の関連記事をご覧ください。
その他
その他にも以下の8点をしておくと、有事の際に役立ちます。
- 家具を固定する
- ワクチン接種や寄生虫予防をしておく
- 不妊・去勢手術を行っておく
- マイクロチップを入れて、環境省のデータベースに登録する
- 避難所の所在地を確認する
- 避難所までのルートを確認する
- 預かってくれる人がいるか確認する
- 避難訓練に参加してみる
マイクロチップは装着しただけでは飼い主にたどり着けません。装着したら環境省のデータベースへの登録が義務になります。引っ越しや電話番号が変わったら、変更登録も忘れずに行いましょう。
非常時の備えにも!おいしく長期常温保存できるウェットタイプ
お出かけやもしもの備えにもおすすめなのが、ペトコトフーズの「常温ウェット」シリーズ。保存料無添加ながらレトルト加工により、常温で約2年間保存可能な総合栄養食です。
チキン・ビーフ・ポーク・フィッシュの4種類があり、すべて国産の良質でフレッシュな食材を使用。食いつき抜群で、子犬からシニア犬まで主食にもトッピングにも使えます。
皮膚や被毛の健康をサポートするオメガ脂肪酸、腸内環境に働きかけるシールド乳酸菌・ビフィズス菌・オリゴ糖など、健康を支える成分もたっぷり。旅先の携帯食としても、防災リュックに常備しても、安心できる1品です。
ペットと人が共有できる非常食の知識
地震や洪水など災害が発生して自由な食料調達ができなくなった場合、一時的に人とペットが食事を共有することを検討しなければいけないかもしれません。しかし、犬や猫が食べてはいけない食材など注意点もあります。
災害時はどれだけ準備をしても想定外のことが起こるもの。非常食だけでなく、知識も備えておくことで家族の命が守れるようになります。
人はペットフードを食べても大丈夫?
結論からいうと食べられます。人がペットフードを食べて直ちに健康に影響が出る可能性は低いと考えられます。
ただし、ドッグフードもキャットフードも法律上は「雑貨」で、「食品」として扱われていません。人が食べることは想定されていませんので、あくまで「非常時の話」という点はご理解ください。
ペットは人のごはんを食べても大丈夫?
「チョコレート」や「ニンニク」「タマネギ」といった犬や猫が食べると中毒症状を引き起こす可能性がある食べ物は絶対に与えてはいけません。
また人用の加工食品もNG。中毒物質が入っていなかったとしても、犬猫にとって過剰な塩分、糖分、脂質、添加物の摂取につながる可能性があります。
犬猫が食べてもいい食材は以下の関連記事で一覧にしていますので、参考にしてください。
東京都の災害時におけるペットの救護対策
災害時のペットの救護対策は各自治体によって異なります。
東京都ではどのような取り組みを行っているのか、東京都の動物愛護管理の担当者にお話を聞きました。
Q. 避難が必要になったとき、ペットはどうすればいい?
可能な限りで同行避難(=ペットを連れて避難すること)を推奨しています。
ただし、避難所運営に関する具体的なルールは各市区町村や避難所ごとに定めることになりますので、ペット受け入れ可否や避難所内でのスペース利用などについては事前にお住まいの市区町村に問い合わせていただければと思います。
なお、ペットの受け入れを行っている避難所であっても、アレルギーや鳴き声、臭いなどの関係で、飼い主とペットが同じスペースに避難するのは難しいかもしれません。
Q. 犬や猫以外のペットは一緒に避難できる?
どのペットも等しく大切な命です。犬や猫が多いので、どうしてもペットの災害対策は犬や猫を中心としたものになってしまいますが「犬や猫でないから避難できない」ということは絶対にありません。
ただし、ペットの種類によっては、避難所での受け入れができない場合があります。例えば、特殊な環境やフードなどが必要な動物、ストレスに弱い動物、特定動物(動物愛護管理法により飼養に許可が必要な動物)など「避難所で飼育できない」と考えられる動物の受け入れは難しいと考えられますので、このような動物を飼う場合は、万一のときの預かり先を事前に確保しておく必要があります。
Q. 災害時、ペットとはぐれてしまったり、ペットが逃げてしまった場合は?
東京都は、災害時に関係団体等と協力して「動物救援本部」を設置し、負傷したり放し飼いとなってしまった動物の保護などを行うことになります。
災害時に限りませんが、仮にペットとはぐれてしまった場合でも、すぐに遠くまで行ってしまうということは少ないはずです。まずは近くの避難所や近隣住民の方々に連絡・確認をしてください。
迷子札やマイクロチップを付けていると、より確実にペットと飼い主を結び付けることができるので、事前に準備しておいてください。特に犬は、狂犬病予防法により、鑑札や注射済票の装着が義務付けられています。
鑑札に記載された登録番号から飼い主が分かりますので、平常時から首輪などに必ず付けておくようにしてください。
また、ペットの写真を持っていると見た目など特徴に関する情報を伝えやすくなりますので、念のため用意しておくことも大切です。
Q. 都民がペットの救護対策で事前にすべきことは?
まずは「備えること」をしてほしいです。
ペットと避難できる避難所を確認し、ペットのために必要な防災用品(フード・水、常備薬・療法食、ペット手帳(健康の記録)、トイレ用品、首輪・リード、ケージなど)をすぐ持ち出せる場所にまとめて用意し、ペットが避難所でも他の人や動物に迷惑をかけることがないようにしつけをするなど、対策を十分に取っておいてください。
災害時には、ペットに関する物資はしばらくの間手に入らないことが想定されます。
ペットにとって「いつも使っているもの」が一番ですので、飼い主が責任を持って備えをしていただければと思います。
まとめ
過去の災害を経て、避難所でのペットの受け入れや生活環境は改善されていますがトラブルはつきものです。
能登半島地震では、保護された猫291頭のうち飼い主のもとへ帰れたのはたった2頭でした。迷子札をつける、マイクロチップを登録する、キャリーに慣らしておく——どれも、今日からできる備えです。
ペットを守るためになるべくトラブルが起こらぬよう、日頃から災害に対して準備をしておきましょう。
飼い主の“もしも”に備えて。ペットの未来を考える選択肢
飼い主に万が一のことがあったとき、大切な家族である愛犬・愛猫の暮らしはどうなるのか——。
「みらいの約束」は、そうした不安に向き合いたい方に向けたサービスのひとつです。
「自分に何かあったとき、この子はどうなるのか」。そんな想いを持つ飼い主にとって、ペットのこれからを考えるきっかけのひとつになるはず。サービスの内容や詳細は、以下の公式サイトをご確認ください。