【獣医師解説】犬はナスを食べても大丈夫!与えていい量や注意点を解説

【獣医師解説】犬はナスを食べても大丈夫!与えていい量や注意点を解説

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ナス(茄子)は犬が食べても大丈夫な野菜です。抗酸化作用がある「ナスニン」を含み、水分量も多く体を冷やす夏野菜であることから熱中症予防にもお薦めです。与える際はアレルギーや与える量に注意しましょう。

犬はナスを食べても大丈夫

ナスと柴犬

ナスはビタミン(ビタミンB1、ビタミンB6など)ミネラル(カリウム、マグネシウム、亜鉛など)食物繊維を多く含み、犬が食べても大丈夫な野菜です。水分量も多く、体を冷やす野菜であることから熱中症予防も兼ねた夏のトッピング食材やおやつとしてオススメです。

皮には強い抗酸化作用を持つポリフェノール「ナスニン」が多く含まれ、抗がん作用やアンチエイジング、肥満の予防効果などが期待されます。与える際は、皮ごと与えるといいでしょう。茹でる場合は茹で汁も一緒に与えることで、より多くのナスニンを摂ることができます。

参照︰「抗酸化作用を中心とした食の機能性」(日本食生活学会誌)
\ ナスはこんな子にオススメ /
  1. 太り気味のワンちゃんのおやつに︰低カロリーで食物繊維が豊富
  2. 水分摂取が苦手な子に︰水分量が多く熱中症予防に◎
  3. シニア犬(老犬)︰ナスニンでアンチエイジング

特徴
カリウム 過剰な塩分を排出してナトリウムとのバランスを保ち、血圧を安定させる効果があります。腎臓病の場合は過剰(高カリウム血症)になり心臓にダメージを与えてしまいます。摂取量に注意が必要です。
ビタミンB1 チアミンとも呼ばれ、補酵素として糖質がエネルギーに変換されるのをサポートします。疲労回復効果があり、不足すると神経や心臓に障害が起こります(人では「脚気(かっけ)」と呼ばれる病気)
ビタミンB6 補酵素としてタンパク質の合成やエネルギーの産生をサポートします。免疫や神経伝達に関わり、皮膚の健康維持にも欠かせない栄養素です。
マグネシウム 骨を作り心臓を動かすために欠かせないミネラルで不足すると骨粗鬆症や不整脈などの心疾患につながります。過剰摂取ではストルバイト結石のリスクを高めるため、摂取量に注意が必要です。
亜鉛 亜鉛はタンパク質の合成に関わる酵素に欠かせない成分で、骨や肝臓、腎臓、膵臓などで必須のミネラルです。亜鉛が不足すると免疫力が低下してしまいます。
食物繊維 腸内細菌のエサとなって腸内環境を改善したり、食後の血糖上昇をゆるやかにして糖尿病を予防したりします。水溶性は満腹感の持続や下痢の改善、不溶性は便秘の改善などの効果が期待できます。


犬にナスを与える際の注意点

ナス

犬にナスを与える際は、以下の点に注意してください。

  1. 与える量
  2. アレルギー
  3. ソラニン
  4. 結石

犬にナスを与える際の注意点01:与え過ぎに注意

ナスをごはんのトッピングやおやつとして与える場合は、1日の適正カロリー量の10%以内にしてください。

1日の最適カロリー量は「ペトコトフーズ」の「フード診断(無料)で簡単に計算することができます。

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犬にナスを与える際の注意点02:アレルギー

ナスはアレルギー報告の多い食材ではありませんが、犬によってはアレルギー症状が出る可能性があります。最初の数回は少量にして、変化がないか様子を見ながら与えるといいでしょう。

犬のアレルギー症状は顔や首、お腹などの皮膚に赤みや痒みが一般的で、下痢や嘔吐が見られる場合もあります。

同じナス科のトマト、ジャガイモ、ピーマンにアレルギーがある場合、ナスでもアレルギー症状が出る可能性がありますので注意してください(交差反応)。なお、アレルギー検査で陽性反応が出たとしても、症状が出なければ与えて問題ありません。





犬にナスを与える際の注意点03:ソラニン

ナス科の植物には「ソラニン」という成分が含まれています。特に熟していないトマトや変色したジャガイモ、ジャガイモの芽には多くのソラニンが含まれ、犬が食べると下痢や嘔吐などの症状が見られます。

ナスに含まれるソラニンは通常であれば問題にならない量ですが、ナスを大量に食べたり、家庭菜園のナスを食べたりすると中毒症状を起こす可能性があります。愛犬用には市販のナスを選び、与えすぎないようにしてください。

※参照︰「学校で栽培したジャガイモによる食中毒」(東京都福祉保健局)

犬にナスを与える際の注意点04:結石・腎臓病

ナスには、ほうれん草の1/4ほどのシュウ酸が含まれます。キャベツやさつまいもより少ない量ですが、シュウ酸カルシウム結石の不安がある子は避けるようにしてください。シュウ酸は茹でて水にさらすことで減らすことができます。



犬へのナスの与え方

ナスを茹でる

犬へのナスの与え方01:加熱して柔らかく

ナスの皮にはナスニンが含まれるため、愛犬に与える際は皮ごと与えると良いでしょう。ナスは生でも食べられますが、加熱して柔らかくすることで犬も食べやすくなります。味付けはせず、一口サイズにカットして与えるようにしてください。

犬へのナスの与え方02:与える量

1日の適正カロリー量の10%以内を与えるようにしてください。

例えば1日の適正カロリー量が226kcalの犬の場合(計算はこちらから)、22.6kcalまでが与えていい量となります。100gで17kcalの茹でナスであれば、133gまで与えて大丈夫です(ナス以外にトッピングやおやつを与えない場合)


犬が美味しいナスの選び方

新鮮で美味しいナスを選ぶためには以下の点をチエックするといいでしょう。

  • ヘタの切り口がみずみずしい
  • ガクのトゲが鋭い(トゲが無い品種もあります)
  • 皮にツヤ・ハリがある
  • 水分たっぷりで重みがある
※参照︰「春・夏の旬野菜ナス」(JAグループ)、「なすの選び方」(キューピー)

まとめ

ナス
ナスは水分が多く熱中症予防に◎
抗酸化作用があるナスニンを含む
家庭菜園のナスはソラニンに注意
適正カロリー量の10%以内を与える
ナスは水分を多く含み、体を冷やす野菜であることから熱中症予防も兼ねた夏のトッピング食材やおやつとしてオススメです。アレルギーやソラニン、結石などに注意して、愛犬に合った量を食べさせてあげましょう。

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