
ボストンテリアの飼い方!性格や寿命、しつけなどをトレーナーが解説
ボストンテリアはコンパクトな体格と、鼻が短くて可愛いと人気の犬種です。本稿ではボストンテリアの性格や寿命、体重といった基礎知識からかかりやすい病気やしつけ、お手入れなどをドッグトレーナーの長根が紹介します。
ボストンテリアの基礎知識

英語表記 | Boston terrier |
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原産国 | アメリカ |
サイズ | 小型犬 |
体高 | 38~43cm |
体重 | 4.5~11.5kg |
寿命 | 13~15歳 |
ボストンテリアは英語で「Boston terrier」と表記します。名前である「ボストン」とは、マサチューセッツ州の都市であるボストン市で生まれたことからその名が付きました。
紳士的な犬として親しまれ、初めて犬を迎える人にも飼いやすい犬種です。
ボストンテリアの歴史
ボストンテリアの原産はアメリカです。アメリカの原産の犬種としては3番目に古いといわれています。1870年代にボストン市周辺で「ブルドッグ」と「ホワイト・イングリッシュ・テリア(ブルテリアの祖先でもある)」の交配によって作り出されました。
当時は現在よりもはるかに大きく、23kgほどあり「ボストン・ブル」と呼ばれていました。長い年月と努力によって、現在の大きさのボストン・テリアに小型化されました。
ボストンテリアの毛色
毛色はブラックに規則的なホワイト・マーキングが見られるのが一般的です。その他に「ブリンドル」や「シール」といった毛色があります。ブラック&ホワイト

マホガニーブリンドル

主とする地色に、他の指し色がまんべんなく混ざっている毛色のことを「ブリンドル」といいます。
シールホワイト
黒の毛色ですが、明るい光の下では赤みがかって見える毛色を「シール」といいます。ボストンテリアとフレンチブルドッグの違い

(左)ボストンテリア / (右)フレンチブルドッグ
ピンと立った耳、短い鼻と尻尾ととてもよく似ています。2匹の違いは耳の形と大きさ、顔の大きさや体格の違いといったところです。
フレンチブルドッグの耳は、付け根の幅が広い「コウモリ耳」と呼ばれる大きく、丸みのある耳が特徴的です。
一方、ボストンテリアの耳は幅が細く、尖がった耳をしています。ボストンテリアの方がコンパクトな体つきで、顔も小さいです。
ボストンテリアの性格や特徴

「ブルドッグ」と「テリア」の血が入っていますが、テリア気質である「独立心」や「興奮性」といった気質は少なく、性格は友好的で活発、高い知性を持っています。
短い鼻と尻尾が特徴的で、毛は短いスムースコートと呼ばれる被毛をもっています。被毛がタキシードを着ているように見えることから「タキシードを着た紳士」とも呼ばれているそうです。
ボストンテリアの育て方

小柄で吠えにくく、集合住宅でも飼いやすいですが、体力があるので運動が必要です。家で遊んであげるだけでなく、散歩は1日60分ほどして運動量を確保してあげましょう。
また、他の犬種に比べて短頭種は暑さに弱いので、暑がっていないか、呼吸が乱れていないか注意してあげましょう。
ボストンテリアのしつけ方
ボストンテリアは吠え癖がなく、初心者でも飼いやすいとされています。しかし、子犬の頃からいろいろな刺激に慣れさせることや「呼び戻し」など根気強くしつけをすることが大切です。
ボストンテリアのお手入れケア
短毛のため、トリミングをする必要はありませんが、定期的なブラッシングをしてあげましょう。また、短頭種なので口回りは汚れやすく、炎症を起こしやすいため、食事の後には、口周りを拭いてあげましょう。
ボストンテリアの体型・体重管理
健康な毎日を過ごすためには、適切な体型・体重を保つことが欠かせません。定期的に体重を量ることは重要ですが、適正体重は成長とともに変化します。同時に「ボディ・コンディション・スコア」(BCS)という評価指標を利用することで適正な体型・体重を維持することができます。
参照:『飼い主のためのペットフード・ガイドライン』(環境省)
YouTubeのPETOKOTOチャンネルでは獣医師の佐藤先生が体重の測り方やボディコンディションスコアの確認方法を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
ボストンテリアの食事

犬の食べ物は「エサ」と呼ばれていた時代から、家族の「ごはん」と呼ぶ時代へ変わりました。私たちと同じように、犬も栄養バランスの良いごはんを食べることで健康を維持することができます。ごはん選びをする際は、以下の2点を気を付けていただくといいでしょう。
1. 総合栄養食を適量与える
犬が必要とする栄養は人間と同じではありません。そこで生まれたのが「総合栄養食」と呼ばれるごはんです。おやつなど「一般食」や「副食」と呼ばれるごはんだけ食べていると体を壊してしまいますので、「総合栄養食」のごはんを選ぶようにしましょう。総合栄養食を食べていても与える量が少なければ痩せてしまいますし、多ければ太ってしまいます。パッケージに書かれた食事量は目安ですので、ボディ・コンディション・スコアで「3」の「理想体型」を維持できる量を与えるようにしてください。
2. 添加物の少ない新鮮なごはんを選ぶ
犬のごはんと聞いて「カリカリ」と呼ばれる茶色い豆粒を想像される方も多いと思いますが、正しくは「ドライフード」と呼ばれる加工食品です。保存しやすく食いつきも良いことから犬のごはんとして一般的になりましたが、高温加熱によって食材本来の栄養が失われ、添加物も多く含まれることから見直しが進んでいます。そこで生まれたのが素材本来の旨味や香りが楽しめ、余計な添加物も入っていない「フレッシュフード」と呼ばれる新鮮なごはんです。ペトコトフーズもその一つで、子犬からシニア犬(老犬)まで毎日のごはんにすることができます。もちろん総合栄養食です。
ペトコトフーズの公式HPを見る

ボストンテリアがかかりやすい病気

ボストンテリアは短頭種ならではの病気である「鼻腔狭窄」や、喉の奥にある軟口蓋が、気道を塞いでしまう「軟口蓋過長」にかかりやすいです。
短頭種の犬は元々いびきをかきやすいのですが、心配な場合は一度動物病院で相談しましょう。
その他、後ろ脚の膝蓋骨が正常な位置から内外に外れてしまう「膝蓋骨脱臼」、アトピー性皮膚炎の好発犬種でもあります。
また、遺伝的なものが多い「てんかん」や、瞬膜が炎症を起こし赤く腫れてしまう「チェリーアイ」と呼ばれる目の病気も気を付けたい病気です。
おならのにおいが臭く回数が多かったり下痢や嘔吐をしたりする場合は、胃内や腸内環境が悪化して起こる病気の可能性もあります。
ボストンテリアの迎え方
一度家族に迎えたら、子犬から老犬になっても大切に、命に責任を持ちましょう。白髪も生えれば、病気にもかかるかもしれません。お金がかかるのは家族に迎える時だけではないことを踏まえ、もう一度考えた上で迎えることを検討してください。
保護犬から迎える

保護され、里親を探している犬は雑種だけでなく、血統書のある犬も多くいます。
ペトコトの姉妹サイトである保護犬・保護猫マッチングサイト「OMUSUBI(お結び)」も、ぜひ覗いてみてください。
OMUSUBIで保護犬猫を探す
ブリーダーから迎える
好きな毛色や、血統など気にするのであれば信頼できるブリーダーから迎えるという方法もあります。実際に見学に行き、どんな環境で飼育されているのかを確認することも必要ですが、飼う上でのアドバイスも直接聞くことができます。
ペットショップから迎える
ペットショップでは生後2~3カ月ごろの販売が多く、4カ月を過ぎてくると値段がだんだんと下がってくることがほとんどです。月齢や血統、ペットショップによって大きく異なりますが、一般的な価格の相場は20~40万円ほどです。
ボストンテリアと楽しい暮らしを!

暑さ寒さに弱いボストンテリアは生活の上で、室温調整をしっかりしてあげましょう。寒い冬には洋服を着せてあげることで、体温調節を助けてあげることもできます。
最近は可愛い洋服もたくさんあるので、首輪に合わせてみるのもいいかもしれません。
参考文献