【獣医師執筆】シニア犬(老犬)がごはんを食べない7つの原因と対処法を解説

【獣医師執筆】シニア犬(老犬)がごはんを食べない7つの原因と対処法を解説

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シニア犬(老犬)がご飯を食べない原因として「1. 病気」「2. 老化」「3. 食事量が多すぎる」「4. 運動量が少ない」「5. わがまま(偏食)」「6. ごはんが美味しくない」「7. 食事に集中できない」という7つの原因が考えられます。それぞれの対処法について、獣医師の佐藤が解説します。

シニア犬(老犬)がごはんを食べない場合に考えられる7つの原因と対処法

PETOKOTO FOODSと犬

シニア犬(老犬)がドッグフードを食べない理由として、まず「病気や老化で食欲が無い」「食欲はあるが食べない」という二つが考えられます。後者は飼い主さんの思い込み(実は適正量を食べている)や、犬自身が何か理由があって食べない選択をしている可能性があります。

シニア犬(老犬)がごはんを食べない理由をもう少し深堀りすると、7つの原因に分けることができます。

病気や老化で食欲が無い 1. 病気
2. 老化
食欲はあるが食べない 3. 食事量が多すぎる
4. 運動量が少ない
5. わがまま(偏食)
6. ごはんが美味しくない
7. 食事に集中できない

それぞれ対処法とともに詳しく解説します。

1. 病気が原因で食欲が無い

シニア犬(老犬)がドッグフードを食べない場合に最も注意したい原因が「病気」です。さまざまな病気で起こる可能性がありますが、その場合は食欲不振だけでなく以下のような異変が徐々に、もしくは急に起こっているはずです。

  • 体重減少
  • 下痢・嘔吐
  • 排尿障害・排便障害
  • 血尿・血便
  • 動くのを嫌がる
  • ぐったりしている
  • 触られるのを嫌がる

シニア期(老犬期)になると、どうしても体の不調が多くなります。上記に限らず、いつもと違う様子や体に異変が見られる場合はなるべく早く動物病院へ行くようにしてください。

2. 老化が原因で食欲が無い

ヨークシャーテリアの老犬

犬も年を取ると運動量が減り、若い頃のような食欲はなくなって食べる量は減っていきます。体重や体型に急激な変化がない限りは正常な変化と言えます。

ただし、老化によって歯が抜けて食べにくかったり、関節の痛みで食べに行くのがおっくうだったりして食欲が無いように見えるだけの場合もあります。病院で診てもらうのは前提ですが、ご家庭では以下のような工夫をしてみてください。

  • ドライフードはふやかして与える
  • 食べやすいウェットフードを与える
  • 食器台で食べやすい高さに調節する
  • 温めて食材の香りを立たせる
  • 手のひらに乗せて与える
  • シリンジを使って直接与える

3. 食事量が多くて食欲が無いように見える

飼い主さんが「ドッグフードを食べない」と思っている子の体重や体型を調べてみると、特に問題なく健康的であることが少なくありません。犬はお腹いっぱいで食べたくないのに、飼い主さんが「もっと食べるべきだ」と思い込んでいるだけかもしれません。その場合、愛犬の適切な食事量を把握できていないことが原因と考えられます。

これはペットショップの店員さんや獣医さん、トリマーさんのアドバイスや、ドッグフードのパッケージに書かれている体重あたりの給餌量をきちっと守っている飼い主さんに多いようです。それらはあくまで目安ですので、適正量は愛犬の体の変化を見ながら調整していかなければいけません。

愛犬が食べるべきごはんの量に自信がない方は、以下の方法を試してみてください。

1. 最適カロリー量を知る

ペトコトフーズが提供する「カロリー計算機(無料)を使っていただくと、1日の最適カロリー量を知ることができます。ドッグフードのパッケージに記載された成分量に100gあたりのカロリー量があると思いますので、最適カロリー量に合う食事量を計算してみてください。

例えば1日の最適カロリー量が125kcalのワンちゃんに100gあたり400kcalのドッグフードを与えている場合、1日の最適な食事量は31gとなります。

愛犬のカロリー計算をする

PETOKOTO FOODS

2. 体重の変化を確認する

計算によって食事量の目安がわかっても、運動量が多ければより多くの食事量が必要になりますし、少なければ食事量も少なくて済みます。遺伝や腸内環境によって太りやすい・痩せやすいといった犬ごとの個性もあります。食事量を調整するために、体重の変化を確認しましょう。体重の量り方は、以下の動画(8:24〜)でも解説していますので参考にしてください。

3. 体型の変化を確認する

体重の増減がない状態を保てたとしても、そもそも痩せすぎ・太りすぎであれば食事量を調整して理想体重にしなければいけません。その理想体重を知る目安となるのが、「BCS」(ボディコンディションスコア)という指標です。

5段階評価の3が理想の体型で、飼い主さん自身で確認することができますので、ぜひ愛犬の体型をチェックしてみてください。

ボディコンディションスコア(BCS)

BCS1 痩せ 助骨、腰椎、骨盤が容易に見え、触っても脂肪がわからない状態。腰のくびれと横から見た際の腹部の吊り上がりが顕著です。背骨がゴツゴツと見える場合もあります。
BCS2 やや痩せ 助骨が容易に触れます。上から見て腰のくびれが顕著、横から見て腹部の吊り上がりも明瞭な状態です。
BCS3 理想体型 過剰な脂肪の沈着がなく助骨を触れます。上から見て肋骨の後ろに腰のくびれが見られ、横から見た際は腹部の釣り上がりも見られます。
BCS4 やや肥満 脂肪の沈着はやや多いものの、肋骨は触れます。上から見て腰のくびれはありますが顕著ではなく、腹部の釣り上がりはやや見られる程度の状態です。
BCS5 肥満 助骨は厚い脂肪に覆われて容易に触れません。腰椎や尾根部にも脂肪が沈着しています。腰のくびれはないか、ほとんど見られません。横から見て腹部の吊り上がりはないか、むしろ垂れ下がっている状態です。

BCSの見方は以下の動画(6:59〜)でも解説していますので参考にしてください。



まずは目安となる最適であろう食事量を知り、定期的に体重測定(定量)とBCS(定性)をチェックしてください。季節によっても一般的には夏より冬のほうが食事量を必要とする傾向がありますが、定期的にチェックすることでそういった微調整ができるようになります。

適正量を食べてくれない場合は、以下の理由を考えてみてください。ただし、食べずに痩せてしまう場合や、BCSが3を下回って2や1に移行していく場合は病的な問題も考えられます。なるべく早く獣医師に相談するようにしてください。

4. 運動量が少ないせいでお腹が空かない

運動量、つまり散歩の時間が足りていないせいでお腹が空かず、ドッグフードを食べないパターンもあります。「毎日散歩に行っています」「1日2回行ってます」と話す飼い主さんによくよく聞いてみると「近所を一周して終わり」というケースが少なくありません。

犬も疲れたらお腹が空くのは私たちと同じですので、「しっかり運動をして、お腹が空いたところでごはんを食べる」という習慣化ができるのが理想です。もちろんシニア犬(老犬)の場合は足腰への負担に注意が必要です。体の状態に応じて、無理のない範囲で運動させてあげましょう。

5. わがまま(偏食)で食べるのを我慢している

寝転ぶ犬

愛犬がおやつは食べるからといっておやつばかり与えたり、ふりかけをトッピングしたりしたことはありませんか? ドキッとした飼い主さんも多いと思いますが、きっと愛犬は「ドッグフードを食べなければもっと美味しいものが食べられる」と学習していることでしょう。

それを理解した上で、「何も食べない愛犬を見ているのはつらい」と与えてしまう飼い主さんも多いと思います。愛犬のことを想うなら、「これはどっちが先に諦めるか、忍耐勝負なんだ」と覚悟を決めて以下の手順を試してください。ただし、健康で体型も痩せ型ではないことが前提です。

1. ごはんを出して食べなかったら下げる

ごはんを食べてくれないからといって常に食べられる状態にしておくのは衛生的にも良くありませんし、食べないことを助長してしまう可能性があります。ごはんを出して、15〜30分たっても食べなければ下げください。

2. 覚悟を決めて1〜2週間続ける

出して食べなければ下げるというのを1日2〜3回試し、1〜2週間続けます。もちろん、この期間におやつやふりかけをあげるのはNGです。半日、丸一日食べないくらいは想定内だと思ってください。ドッグトレーナーの西岡先生によると、この方法で食べるようにならなかった犬はほとんどいないそうです。

3. 丸二日食べない場合は専門家に相談する

どんなに頑固な犬も丸一日食べなければ諦めて空腹に従うはずですが、丸二日食べない場合は拒食症のような状態になっている可能性があります。何でもいいので食べるものを与えてください。そして、かかりつけの獣医師や行動診療科の専門医に相談することをオススメします。

6. ごはんが美味しくないので食べない

ドライフード

私たちに食べ物の好き嫌いがあるように、犬にも好き嫌いがあります。その好き嫌いは牛肉や鶏肉、魚など食材の違いかもしれませんし、タンパク質や脂質、炭水化物など成分の違いかもしれません。一般的には犬はタンパク質が多い食事を好むと言われていますが、炭水化物が多い食事のほうを好む犬もいます。

自然派な犬は、オイルコーティングされたドライフードなど過度な添加物を好まないかもしれません。ただ、食べてくれるものを見つけようと焦って短期間でフードをコロコロ変更するのは止めましょう。「食べなければ別の美味しいごはんが食べられる」と学習して偏食が酷くなる可能性があるからです。

オススメのごはんは新鮮な食材を使って余計な添加物が入っていない「ペトコトフーズ」ですが、中には食いつきを良くするための香料や動物性油脂など添加物たっぷりのジャンキーな味が好きな犬もいます。何を好むかは犬それぞれですから、どんなごはんであれ、まずは愛犬が喜んで食べるものを見つけて食べる習慣を付けるところから始めましょう。

もちろん、おやつはごはんの代わりにはなりません。また、手作りごはんは犬の栄養学を学んでからでないと栄養の偏ったものになる危険性があります。ごはんを食べさせる第一歩としては、「総合栄養食」の中から見つけるようにしてください。

7. 食事に集中できないせいで食べない

繊細な子だと、飼い主さんの声や周囲の音や光、人や同居動物の存在など、さまざまなストレスによって食事に集中できない場合があります。例えば、食事の場所を交通量の多い通りに面した部屋から静かな部屋に変えただけで食べるようになる犬もいます。クレートやサークルを使って落ち着いて食事ができる場所を作ってあげるのもいいでしょう。

もう一つのパターンとして、食事の際に起きた嫌なことがトラウマのようになって集中力を削いでいる可能性も考えられます。意図せず大きな音を立ててしまったり、いたずらでびっくりさせてしまったり、早く食べるように叱ったりしたことが原因になっているかもしれません。

いずれにしても明らかな原因がない場合は、飼い主さんだけでそれを見つけるのは難しいかもしれません。ドッグトレーナーや行動診療科の獣医師などの専門家に相談して、考えられる原因を一つずつ確認していくことが大切です。

ごはんを食べないシニア犬(老犬)の対処法

PETOKOTO FOODSとビーグル

全く食べないというわけではなく「食欲にムラがある」「食が細い」といった悩みをお持ちの飼い主さんも少なくないと思います。ごはんを食べないシニア犬(老犬)に試していただきたい対処法は以下の通りです。

  1. フードの切り替えは少しずつ
  2. メニューを毎日変えるのはNG
  3. 食べたら褒める
  4. 知育トイを利用する
  5. 手から与える

1. フードの切り替えは少しずつ

犬によっては食べたことのないごはんに警戒心を抱いて食べない場合もあります。警戒心がなかったとしても、腸内環境がびっくりして下痢になることも少なくありません。新しいフードに変更する際は、一気に丸ごと変えてしまうのではなく、少しずつ置き換えるようにして1〜2週間かけるようにしましょう。

2. メニューを毎日変えるのはNG

すぐ飽きてしまうので毎日味を変えて食べさせている飼い主さんもいると思いますが、この与え方は偏食をより進めてしまう可能性があるためオススメしません。ペトコトフーズも4種類のメニューがありますが、コロコロ変えず、数日〜数週間おきにローテーションする与え方を推奨しています。

3. 食べたら褒める

食事に集中できないワンちゃんは、多くの犬が食事を一大イベントだと思って無我夢中で食べるのと違って、そもそも食事が楽しいことだと思っていない可能性があります。私たちが食後のデザートを楽しみにしているように、食べた後に褒めたり遊んだりしてあげることで食事が楽しいものだと思えるようになります。

報酬は犬によってさまざまですが、おやつはそれ自体が目的になって「おやつしか食べない」となってしまいますのでやめましょう。飼い主さんの声や存在、表情も、報酬ではなく逆にストレスになってしまう場合があります。愛犬は何に喜ぶのか、よく観察して適切な報酬を用意してあげてください。

4. 知育トイを利用する

犬によっては狩猟本能や執着心が報酬になる場合もあります。そういった子には、コングのような知育トイにごはんを詰めて与えると面白がって食べるかもしれません。簡単だと飽きてしまうかもしれませんので、ヒダ状の早食い防止の食器などにウェットフードを塗り付けるのもオススメです。

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5. 手から与える

お皿に入れても食べないのに、飼い主さんの手から与えると安心感や愛情を感じて食べる子もいます。それが当たり前になってしまうとお皿から食べなくなる可能性もありますが、食べないよりは良いでしょう。困ったときの工夫として試してみてください。

シニア犬(老犬)がドッグフードを食べない場合におすすめのごはん

ペトコトフーズの犬のプレゼントにおすすめのフレッシュドッグフード ペトコトフーズは、「エサからごはんへ」をコンセプトに掲げるフレッシュペットフードブランドです。

実際に従来のドライタイプのドッグフードよりも、水分がより多く含まれた手作り品質のごはんを食べている犬の方が寿命が3年も長くなることが研究により明らかになっています。新鮮で美味しく、健康なごはんを選ぶことが長生きできる秘訣です。

フレッシュフードと寿命の関係性

1. 新鮮な国産食材をメインに使用

ペトコトフーズ
人間が食べる品質と同じヒューマングレードな食材のみを使用し、国内の食品工場で製造しています。4Dミートや添加物を一切使いません。食材の割合や、主な食材の産地を公開し、安心できるごはんをお届けします。

2. 手作りのように抜群の食いつきの美味しさ

ペトコトフーズ
従来のドライ加工が施されたドライフードやレトルト加工が施されたウェットフードではありません。新鮮なお肉や野菜を低温スチーム調理することで、食材本来の香りや旨味、栄養素をキープすることで抜群の食いつきです。

3. 全犬種全年齢対応の総合栄養食

ペトコトフーズ
社内の獣医師と栄養士がレシピを開発したAAFCO基準の分析を通過した総合栄養食です。サプリメントを除き保存料など無添加で、子犬からシニア犬まで1日に必要な栄養素を補完します。
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まとめ

PETOKOTO FOODSと犬たち
ごはんを食べない理由はさまざま
まずは病気が原因でないことを確かめる
おやつはふりかけは悪化させる可能性も
難しければ一人で悩まず専門家に相談を
愛犬がドッグフードを食べないという悩みをお持ちの飼い主さんは少なくありません。本来は待ち遠しいはずの一大イベントですから、それが楽しみでないということは何か理由があると考えられます。犬ごとの性格や気づきにくい環境の問題など原因はさまざまです。対策が難しい場合は、早めに専門家を頼るようにしましょう。

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