犬が飲んでも大丈夫な水とは?飲まない場合の原因や給水タイプも紹介
犬にとって水は体の約7割を占め、6大栄養素の一つに数えられることもあるほど重要な存在です。水分不足が続くと腎機能が低下し、腎臓病や膀胱炎、結石など泌尿器疾患のリスクが上がります。飲むべき水の量や飲まない場合の対処法、水道水やミネラルウォーターなどオススメの水について、ペット栄養管理士が解説します。
犬に与えていい水・与えてはいけない水
犬にとって水が大切なのは私たちと同じ、飼い主さんとしては愛犬のために「良い水」を飲んでほしいと思いますよね。だからこそ、「水道水でいいの?」「ミネラルウォーターのほうがいいの?」と迷ってしまいます。
結論として、犬の飲み水は水道水で大丈夫です。浄水のほうが犬も美味しく飲めますので浄水器を通すとより良いでしょう。では麦茶や牛乳はどうでしょうか? 水分を含む飲み物を与えていい水・与えてはいけない水に分けて解説します。
犬に与えていい水(飲み物) | 水道水、浄水、ミネラルウォーター、甘酒(無添加のもの)、水素水、スポーツドリンク、麦茶(無添加のもの)、ヤギミルク |
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犬に与えてはいけない水(飲み物) | アルコールを含む飲み物、カフェインを含む飲み物(紅茶、コーヒー、緑茶)、牛乳 |
水道水
日本の水道水は配水時に水質チェックが行われているため、犬にも安心して飲ませてあげることができます。ただし、水道水の成分は地域によって異なるため、結石などの不安がある飼い主さんは日本水道協会の「水道水質データベース」や地域の水道局などで調べてみるといいでしょう。ミネラルウォーター
犬はミネラルウォーターを飲んでも問題ありません。ただし、一般的には結石など泌尿器疾患のリスクを避けるため、カルシウムやマグネシウムが多く含まれる硬水ではなく軟水(硬度60mg/L未満)を選んだほうがいいとされています。食事から摂取するミネラル分に比べれば水から摂取するミネラル分は微量であるため、硬度の差はそれほど大きな影響を与えないとも考えられていますが(※)、ミネラルウォーターの種類によっては硬度1000mg/Lを超える超硬水と呼ばれるものもあるため注意が必要です。
※参照︰「小動物の臨床栄養学 第5版」
水素水
水素水は学術的には「水素豊富水」と呼ばれ、水(H2O)に一定以上の水素(H2)が含まれたものを指します。身体の老化を進める存在として「活性酸素」が有名ですが、その活性酸素を除去する力があるのではないかと期待されています。※参照︰「水素水は怪しい水でしょうか?」(岡山医学会雑誌)
犬の給水器について
犬の給水器は、ケージに設置するノズルタイプやお皿、自動給水器などがあります。
犬は通常、舌の裏側を使って水を飲みます。給水器の設置場所が極端に高かったり低かったりすると、首に負担がかかり、頚椎を痛める可能性があります。
ノズルタイプの場合の高さは、4本足で立った状態で前を向いた位置にノズルを設置してあげましょう。お皿や自動給水器の場合は、高さを調節して4本足で立った状態で下を向いた位置に設置してあげましょう。
ノズルタイプは少しずつしか水が出ないため、十分に給水を行えずストレスを抱えてしまう可能性もあります。お皿や自動給水器と併用することをオススメします。自動給水器は電源が切れてしまい飲めなくなる可能性があるため、単体では使わずお皿と併用しましょう。
浄水器の注意点
自動給水器には浄水機能が付いたものが多くありますが、フィルターが汚れていると浄水機能が正しく働かず逆効果になってしまう危険性があります。細菌が繁殖してしまうと感染症の原因になってしまいますので、必ず定期的に掃除やフィルター交換をするようにしてください。犬が水を飲まない・飲みすぎる場合
水を飲まない、飲みすぎる、ということは、運動量や気温といった「生理的要因」の他、口腔内の異常、腎・泌尿器の異常、異物誤飲、腫瘍といった「病的要因」も考えられます。生理的要因が考えにくい場合は、早急に動物病院に連れていくことをオススメします。
水を飲むのが苦手な子やシニアの子など日常的に飲む量が少ない場合は、部屋ごとに給水器を置くなど飲みやすい環境を作ってあげることも大切です。
愛犬が水を飲んでいるか定期的にチェックを!
水道水を与えることは問題ない
ミネラルウォーターは成分次第
水素水は現状、体への影響は不明な点が多い
給水器は給水器タイプがオススメ
水を飲まない・飲みすぎる場合は病院へ
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