犬の消化に良い食べ物、悪い食べ物を栄養管理士が解説

犬の消化に良い食べ物、悪い食べ物を栄養管理士が解説

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犬にとって消化に良い食べ物は「新鮮」「食べ慣れている」「脂質が少ない」「繊維質が少ない」といった特徴があります。胃腸が弱く下痢になりがちな子は、消化に悪い食べ物を食べていないか食事を見直してみるといいでしょう。ペット栄養管理士が解説します。

犬にとって消化に良い食べ物 鶏肉、鹿肉、白身魚、白菜、大根、キャベツ、にんじん、じゃがいも、ヨーグルト、納豆、卵、リンゴ(皮むき)、バナナなど
犬にとって消化に悪い食べ物 牛肉、豚肉、羊肉、ゴボウ、レンコン、サツマイモ、タケノコ、きのこ類、マグロ、サバ、サンマ、ブリ、うなぎ、いちご、キウイ、パイナップルなど

犬にとって消化に良い食べ物・悪い食べ物

PETOKOTO FOODS

犬にとって消化に良い食べ物は「新鮮」「食べ慣れている」「脂質が少ない」「繊維質が少ない」といった特徴があり、逆に消化に悪い食べ物は「鮮度が落ちている」「食べ慣れない」「脂質が多い」「繊維質が多い」といった特徴があります。

消化に良い「新鮮」な食べ物

食品は基本的に鮮度が落ちるのに比例して腐敗し、犬が消化しにくくなっていきます。腐敗が進んで有毒な細菌が繁殖するレベルになれば、お腹を壊すだけでは済まないでしょう。

犬はもともと群れで狩りをして得た肉を食べていましたが、余った肉は土の中に隠して後で食べる習性がありました。その名残りが、好物やお気に入りのおもちゃを隠したり、地面を掘ったりする行動につながっていると考えられています。隠した肉はいずれ腐りますが、犬はそれを食べても大丈夫な体のつくりをしていました。

オオカミの親子

実際、犬は人間より強力な胃酸を持っているため、人間がお腹を壊すような鮮度でも問題なく消化できます。しかし、現代の犬は日常的に腐った肉を食べているわけではありませんので、昔と同じ食生活を送ることはできません。犬も鮮度が落ちた食べ物を食べれば、うまく消化できずにお腹を壊してしまいます。

お腹に負担をかけないためにも、ペトコトフーズのような新鮮なごはんがオススメです。ドライフードであっても大袋ではなく小分けパックのものを買ったり、小袋に分けて保存したりすることで劣化を防げます。特に油の酸化は消化だけでなく体に良くありませんので、ノンオイルコーティングの商品を選ぶようにしましょう。


消化に良い「食べ慣れている」食べ物

毎日いろいろな料理を食べている私たち人間と違って、多くの犬は一つか数種類の決まったドッグフードだけを食べています。その結果、犬の腸内は「お決まりのドッグフード」に最適化された腸内細菌で構成されるようになります。そこにいつもと違うドッグフードがやって来ると急な変化に対応できず、お腹がびっくりして下痢になってしまいます。

そのため下痢になりがちな犬は「できるだけドッグフードを変更しないようにする」か、変更する場合は「少なくとも1週間かけて少しずつ置き換える」ようにしてください。以下が切り替えのイメージです。

ドッグフードの切り替え方法

なお、総合栄養食であれば同じフードを食べ続けて問題ありませんが、おやつや手作りごはんの場合は同じものを食べ続けると特定の栄養を過剰に摂取し続けることになりますので、注意してください。例えば鳥のささみ肉がヘルシーだからといって毎日与えていると、リンの過剰摂取によって結石の原因になってしまうかもしれません。


消化に良い「脂質が少ない」食べ物

鶏肉

私たち人間も揚げ物ばかり食べていると胃がもたれたり、お腹を壊したりしますが、犬にとっても油の摂り過ぎは体の負担となります。実際、消化器サポートのドッグフードでは多くが低脂質に調整されていますので、お腹を壊しがちなワンちゃんは脂質を抑えることで改善できる場合もあります。

お肉で比較すると脂質が多いのは牛肉・豚肉・羊肉脂質が少ないのは鶏肉・鹿肉です。部位別では牛肉だとバラ肉・リブロースの脂質が多く、ヒレ肉・もも肉は少なめ。豚肉はバラ肉の脂質が多く、ヒレ肉・もも肉は少なめ。鶏肉はもも肉の脂質が多く、ささみは少なめです。

魚で脂質が多いのは、マグロ(脂身)、うなぎ、さんま、サバ、サーモンなどです。マグロやさんま、サバなどの青魚には体に良いDHA・EPA(オメガ3脂肪酸)が含まれます。積極的に摂りたい栄養ではあるのですが、油であることは変わらず、消化には良くありません。

ただし、人と犬では体の構造が異なり、犬は人よりも油の消化が得意だと言われています。また、脂質は大事なエネルギー源でもありますので不足するのも良くありません。だからといって犬に脂っこいもの(特に人間の食べ物)を食べさせてしまうと、膵炎の原因にもなってしまいます。

飼い主さんとしては、おやつや手作りごはん、高カロリーなドッグフードで脂質が過剰にならないよう注意し、制限する場合は不足しないよう獣医師に相談しながら調整してください。


消化に良い「繊維質が少ない」食べ物

PETOKOTO FOODS

三大栄養素の一つである炭水化物は「糖質」と「食物繊維」に分かれ、どちらも犬に欠かせない栄養です。犬は食物繊維を消化できませんが、腸内細菌の餌になったり、腸の動きを活性化して便秘や下痢の改善につながったりします。腸内環境を良くすることで消化する力を強める効果もありますが、多すぎれば便秘や下痢の原因になってしまいます。

野菜や果物には食物繊維が多く含まれますので、与えすぎには注意してください。野菜の中では、大好きな犬も多いさつまいもに注意が必要です。お腹を壊している時は避けましょう。果物は皮に繊維が多く含まれますので、リンゴを与える際は剥いてからにしましょう。


まとめ

犬
犬も新鮮なごはんのほうが消化に良い
急なごはんの変更はお腹が驚いてしまう
脂質の摂り過ぎは病気の原因に
食物繊維も過不足ない量が大事
犬は人間より強力な胃酸を持ち、野生にいた頃は腐った肉を食べる食性もありました。しかし、人間との生活の中で食べるべきもの、食べないほうがいいものは大きく変わっています。愛犬の健康のためにも、犬にとって消化に良いものを食べさせてあげるようにしてください。

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