成犬のしつけは難しい? 無駄吠えや噛み癖、トイレ対策をドッグトレーナーが解説

しつけは子犬からするもの、成犬からするのは難しいと思われることもありますが、はっきり言って、どんな成犬でも、何歳になっても、しつけ・トレーニングは可能です! なんなら何歳になってもトレーニングはするべきだし、ずっと続けていくものと言ってもいいくらいです。トレーナーである筆者の個人的な意見としてですが、子犬から飼うより成犬から飼った方が絶対に楽! 初めて犬を飼う方にありがちな「子犬からじゃないと飼いたくない」とは一切思いません(笑)。しつけは無理やり抑えつけるものではなく、お互い楽しく幸せに暮らしていくために、「飼い主」が日々のなかで実践していく事です。今回はドッグトレーナーの西岡が、成犬のしつけに大切なポイントを紹介していきます。

成犬からでもしつけはできる?

飼い主さんと犬

成犬からでもしつけはできるのでしょうか? 子犬から始めるしつけとの違いや「主従関係」の考え方、成犬の保護犬を迎えることについて説明します。

子犬から始めるしつけと成犬から始めるしつけの違い

子犬からしつけ始める事に比べれば、成犬のしつけにかかる時間は長くなります。社会化についても、重要な社会化期に適切な社会化ができてないと、それを取り戻すのはかなり難しいです。ただ、手遅れという事はありません。何歳からでも社会化はできます。


「主従関係」の考え方

少し前まで、犬は家族を順位付けしていて自分より格上の存在を「主人」や「リーダー」と認識しているという「主従関係」の考え方が一般的でしたが、今はそういった考え方はしません。「主従関係」ではなく「信頼関係」に置き換えた方がいいですね。

飼い主は「主人」というより、「理解者」や「頼りになる人」など「安心できる存在」になるべきだと考えます。しつけがうまくいかないことで「犬になめられている」と考える人もいますが、なめられているのではなく、「飼い主さんが愛犬のことを理解できていない」「信頼感や安心感を与えられていない」と考えるべきでしょう。これは成犬に限らず、子犬の場合も同様です。


成犬の保護犬を迎えるのは大変?

保護される犬たちは、「ブリーダー崩壊」や「迷子になって飼い主さんが見つからない」「飼い主さんが高齢になった」「家庭の事情でやむを得ず」などなど、さまざまな事情を持っています。そのため「なかなか慣れない」「しつけが難しい」と考えられがちですが、全くそんなことはありません。時間がかかる場合もありますが、どんな子でも、何歳からでもちゃんと慣れますし、しつけもできます!

子犬だからといってしつけが簡単というわけではありませんし、むしろ子犬のほうがしつけが大変な場合もあります。「子犬だから」「成犬だから」という考え方をする必要はないと思います。


成犬のしつけは自分でできる?

飼い主さんと犬

犬のしつけは、子犬であれ成犬であれ飼い主さんご自身でできます。基本的に、しつけとは飼い主がやっていくものです。そのためにはその子の性格や好きなもの、得意な事、苦手なものなどをしっかり理解していく必要があります。

プロに頼る場合のメリット&デメリット

しつけの仕方がわからない、自信がないといった際にはプロに頼ることも大切です。

しつけ教室

しつけ教室にはさまざまなテーマのレッスンがあります。人慣れ・犬慣れなどの社会化に悩みがあるなら、しつけ教室はとても有意義です。同じ課題を持った犬がいたり、同じ悩みを持った飼い主さんと交流が生まれたりと、楽しい事も多いですよ。ただ、自宅など場所に依存したお悩みとなると、しつけ教室では難しいところもあります。

ドッグトレーナー

しつけ教室と違ってドッグトレーナーの場合は自宅に来てもらえるというのが大きなメリットになります。普段の環境から性格、行動など詳細を客観的に診てもらってプロ目線のアドバイスをもらうことができます。成犬のしつけをしていく上では絶対に必要なことだと考えます。

一緒にお散歩に出てくれたりもしますので、客観的にどんな子なのかを知るためにも、まずは一度プロのドッグトレーナーに相談する事をオススメします。そもそも犬のしつけは飼い主さんご自身がしていくものですが、プロのアドバイスがあるだけでしつけの大変さや、かかる時間、お互いのストレスがかなり軽減できます。とにかく相談してみてくださいね!

成犬のしつけ・トレーニングの仕方

成犬だから特別なしつけがあるというわけではありませんが、基本のしつけからトイレや吠え癖など、気を付けたいポイントをそれぞれ説明します。

基本

しつけの基本として「アイコンタクト」「待て」「呼び戻し(オイデ、カム)」の3つが挙げられます。

アイコンタクト

名前を呼んで一瞬でも目が合ったら褒める! オヤツやオモチャを使うのも有効です。少しずつ目が合ってる時間を長くしていけるといいですね。


待て

室内だけではなく、屋外やお散歩時でも、あらゆる場面で「待て」をさせていきます。できるようになったら、「待て」をさせる時間や、飼い主さんとの距離を少しずつ伸ばしてあげましょう。


呼び戻し(オイデ、カム)

呼び戻しや待ては愛犬を危険から守るためにも、必ずできるようにさせたいです。まずは普通のリードの届く範囲で、飼い主さんの「オイデ」の声だけで飼い主さんの元に戻ってくるようにさせましょう。ご褒美にオヤツを使うのもいいですよ。


トイレ

トイレを外でしかしない子を室内でもできるようにさせるには、時間がかかるものです。年齢にもよりますが、成犬で外でしかトイレしない習慣がついてしまうと、トレーニングも大変です。室内でトイレをさせてからお散歩に行くようにするなど、根気よく付き合ってあげてください。


散歩

他の人や犬に吠える・引っ張るなど、散歩時のお悩みは多いと思います。まずは、「なぜそういった行動をするか?」を理解してあげる事が大切です。その上で散歩の仕方やリードワークを変えてみて、落ち着いてリラックスしたお散歩にしてあげたいですね。


吠え癖

成犬の吠えとなると、その理由や原因にもよりますが、行動が長年に渡り習慣化され、かなり強化されている事が多いです。興奮して吠えているときに叱っても逆効果になる事も多く、なるべくなら落ち着かせてなだめてあげるようにしたいです。

吠えてないときや、吠え止んだときに褒めるのが理想ですね。ただ、適切なタイミングと強さで叱れるならそれはとても有効ですが、難しいのでやはりトレーナーに相談した方がいいですね。


噛み癖

吠え癖と同じく習慣から強化されてることも多く、そこから改善するのは時間がかかる場合もあります。噛む理由が恐怖や警戒などの場合はなるべくその感情をほぐしてあげて、負担をかけないで少しずつ慣れさせてあげましょう。噛み癖もなるべくならプロに早く相談した方がいいです。


「成犬だから」と諦めないこと

犬

冒頭にも書いたように、成犬でもしつけはできます。そもそもしつけとは何歳になっても続けていけるものです。無理やり犬の性格を変えていくものではありませんし、何かを教え込むことが目的なわけでもありません(ただし子犬時の社会化など、タイミングが大切なしつけもあります)。

飼い主さんと犬とがより楽しく、幸せになれるようするのがしつけです。少し環境を変えてあげるだけで状況が良くなることもあります。難しく考えて「成犬だから」と諦めるのではなく、気軽にしつけ・トレーニングをしていきたいですね。

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