猫はドライブが好き?ストレスや鳴く理由、車に乗せる際の注意点を解説
犬は飼い主さんとお出かけすることを楽しみにしている子も多く、一緒にドライブをして旅行を楽しむことができますが、猫はどうでしょう? 中にはドライブが好きな猫もいますが、ほとんどの猫にとってドライブは必要のないストレスとなります。危険がもたくさんありますので、猫とドライブすることはおすすめしません。今回は猫がドライブが苦手な理由、猫を車に乗せるときの注意点などを解説します。
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猫はドライブが好き?

猫は車でのお出かけ、ドライブを楽しむことができるのでしょうか。
猫は知らない場所が苦手
インターネット上やテレビではときどき飼い主さんと一緒にドライブやお出かけを楽しむ猫ちゃんの映像が見られますが、それは非常にまれなケース。一般的に猫はお出かけが苦手です。猫は知らない場所や変化を好まず、毎日、変化のない同じ日常を過ごすことを当たり前として、それを好む動物だからです。ペットとして猫と並んで人気のある犬との大きな違いの一つがこの点です。しかし、猫ブームで猫のことをよく知らずに飼う方も多いせいか、猫を犬のようにドライブや旅行に連れて行ってしまう方もいます。猫を連れて行けるホテルや旅館も最近はあるようですが、たとえ飼い主さんと一緒であっても猫ちゃんは楽しめないでしょう。
あるブロガーさんが猫連れで旅館に泊まったところ、帰るまで金庫の裏から出てこなかったという話も読んだことがあります。猫にとっては日頃いる場所ではない車に乗るということも、知らない場所に連れていかれることも決して楽しいことではないのです。
猫にとってドライブはストレス

猫がドライブに出かけるときはさまざまなストレスにさらされることになります。
慣れない場所に対するストレス
前述した通り、猫は自分のテリトリー以外の慣れない場所がとても苦手です。車の中も猫がいつもいる場所ではなく、慣れない場所といえます。車に乗せられること、それ自体がストレスで、大抵の猫は乗っている間中、緊張状態になってしまいます。どこかに連れていかれる恐怖
知らない場所が嫌いな猫は、慣れ親しんだおうちから連れ出されることにストレスを感じます。どこかに連れていかれる恐怖を感じて車が走っている間中、鳴いてしまう子も珍しくありません。車に乗せられて移動していることが猫にもわかるようです。おうちにずっといたいと思っている猫ちゃんからすると、どこか知らない場所に連れていかれるのはとても怖いことでしょう。鳴き続けて疲れてしまう
ドライブをしている最中は、猫は知らない場所にいるストレスと、どこかに連れていかれる恐怖で鳴き続けてしまう子は少なくありません。ずっと鳴いていると猫だって疲れてしまうし、声がかれてしまうこともあります。緊張で水も飲めない
筆者は猫をドライブに連れ出したりしませんが、里親さんに譲渡するために車に乗せて移動することはあります。長距離である場合、水やおやつも持って行きますが、ほとんど場合、猫は口を付けてくれません。どんなに好物のおやつであってもです。本来は長時間にわたり水も飲まないことは猫にもよくありませんね。犬はドライブの途中で休憩して水を飲んだり、おやつを食べたりできますが、車に乗ること、それ自体がストレスになる猫とっては休憩をとってもはほとんど意味がありません。
トイレも難しい
緊張状態にある猫はトイレを使用することも難しいです。筆者は譲渡会に参加するために、猫を車に乗せていくときなど、一応トイレも持って行きますがこれまで使用してくれたことはほとんどありません。猫を里親さんに譲渡するときは、トイレで排泄ができるまで、そしてご飯を食べることができるまでは安心できません。猫は知らない場所ではご飯を食べることも、おしっこやうんちをすることも簡単ではないのです。車酔いすることも
猫は犬に比べて乗り物酔いはしにくいです。しかし絶対にしないというわけではなく、車酔いをして具合が悪くなってしまう子もいます。車酔いをすると「吐く」という症状が出ることが多いです。吐いた猫ちゃんも気持ちが悪いでしょうし、飼い主さんも片付けるのが大変です。猫のドライブの最大の悲劇は行方不明

猫をドライブに連れ出した結果、起こってしまう可能性がある最大の悲劇は、「愛猫が行方不明になってしまうこと」です。しかもこの悲劇は起こってしまう可能性が決して低くありません。
筆者は何度か車から脱走してしまった猫に関する相談や、実際にそのようにして飼い主さんとはぐれてしまった猫に遭遇したことがあります。「猫を買い物に一緒に車で連れて行ったところ、首輪をすり抜けて逃げてしまった」「サービスエリアでドアを開けたら猫が脱走してしまった」などです。
筆者がアドバイスして奇跡的に猫を捕まえることができた例もありますが、二度と会うことができないことも少なくありません。実際にサービスエリアで車から逃げてしまい、飼い主さんに置いていかれてしまった猫を複数匹知っています。そのうち1匹は本当に幸運にもサービスエリアで働いていた方が飼ってくれましたが、そういう猫がいると聞き保護しに行ってみたものの発見できなかった、保護できなかったこともあります。
猫に逃げられた飼い主さんも悲しいでしょうが、一番つらい思いをするのは猫です。人に飼われていた猫が突然知らない土地に放り出され、生き残れる可能性は高くはありません。食料を得ることも簡単でなく、車の往来が多い高速道路などでは即座に命の危険もあるでしょう。筆者は前述したような経験から、飼い主の都合や思い込みだけで猫を気軽にドライブに連れ出すべきではないと考えます。
猫と安全にドライブするには

これまで解説してきた通り、猫はドライブが好きではないし危険も多いので、安易に連れ出すべきではありません。しかし、通院などでどうしても車での移動が必要なこともありますね。猫を車に乗せるときは安全に十分配慮して乗せるようにしたいです。
キャリーバッグやケージは必須
猫を車に乗せるときは、必ず猫をキャリーバッグやケージに入れて乗せるようにし、目的地の安全な室内に着くまでは出さないようにしましょう。行方不明になる最大の要因は、猫を車内に放してしまい、その状態で車のドアを開けてしまうことです。「狭いケージにずっといるのはかわいそう」と思う方もいるかもしれませんが、猫は知らない場所ではかえって狭く薄暗い場所のほうが安心できます。また車内に放すと車の座席の下などの捕まえにくい場所に隠れてしまうこともあります。運転の妨げになる可能性もあり、非常に危険です。絶対に車内では猫を放さないようにしましょう。
ハーネスのみは危険
猫を車に乗せる際にキャリーなどを使用せず、首輪にリード、ハーネスとリードの着用のみで乗せた結果、脱走され行方不明になるという例も少なくありません。筆者は実際にそのような方からご相談を受けたことがあります。また外れにくいという口コミのハーネスを猫に付けてみた結果、猫は本気になれば大抵のハーネスは簡単にすり抜けられるということもわかりました。猫は体が柔らかく、毛も滑りやすく、かなり狭い場所でもすり抜けることができるので、ハーネスに対する過信は危険でしょう。