猫は水を飲まないからこそ注意が必要! 1日に必要な量や飲まない子の対処法

猫は水を飲まないからこそ注意が必要! 1日に必要な量や飲まない子の対処法

猫にとって水は体の約7割を占める大切な存在です。タンパク質や炭水化物、脂肪などの「五大栄養素」に加えて「六大栄養素」とされることもあり、水分不足が続くと腎機能が低下し、猫の死亡原因で一番多い泌尿器疾患につながってしまいます。全身に汗腺があるヒトと違って猫には肉球くらいしか汗腺がなく、水は体温調節のための大切な役割も担っています。しかし積極的に水を飲んでくれない猫も多く、どうすれば飲んでくれるのか頭を悩ませている飼い主さんも多いのではないでしょうか。そこで本稿では、猫が水を飲まない理由や嫌いな理由から、1日に必要な量、飲まないときの対処法などを紹介します。

猫が水を飲まない・嫌いな理由

イエネコの祖先は、北アフリカやアラビア半島に生息する「リビアヤマネコ」だと考えられています。砂漠地帯に生息することから「Dsert cat」(デザート・キャット:砂漠の猫)と呼ばれることもあり、水場の乏しい厳しい環境を生き抜くため、リビアヤマネコは水を直接飲まなくても食べ物から摂取することで必要な水分を確保するようになりました。

リビアヤマネコ
Photo by yoospicsさん Thanks!

イエネコはその習性を引き継いでいるため、水を積極的に飲まなかったり、水を飲むのが嫌いだったりする子が多いと考えられています。


猫に水はどれくらい飲ませればいい?

水を飲もうとしている猫

猫は1日にどれくらいの水を飲まなければいけないのでしょうか。猫が1日に必要な水分量を体重ごとに紹介します。

猫が1日に必要な水分量
体重 2kg 3kg 4kg 5kg 6kg 7kg 8kg 9kg
水分量 140ml 190ml 240ml 280ml 320ml 360ml 400ml 440ml

成猫の平均体重が4kgとされていますので、猫は食べ物に含まれる水分も含めて1日に500mlのペットボトル半分くらいの水を摂取する必要があるわけです。

水分不足が病気につながることも

猫が水を飲みたがらないのは習性だからと放っておくのはとても危険です。水分不足によってダメージを受けるのは、老廃物をおしっこに変えて排出する器官である腎臓です。水分が少ないとその機能がうまく働かずに腎不全を起こしたり、尿が濃くなることで膀胱炎や尿路結石につながったりする危険性が高まります。

アニコム損害保険の『家庭どうぶつ白書2017』によると、猫の疾患、死亡原因ともに一番多いのは「泌尿器」となっています。特に高齢になればなるほど喉の渇きに気付きにくくなり、体を動かさなくなることで飲む機会も少なくなりますので注意が必要です。


水を飲まない猫の対処法

猫

水を飲まない猫に「ちゃんと水を飲まないとダメよ」と言って水飲みを目の前に置いたとしても、簡単には飲んでくれないでしょう。砂漠で生活してきた祖先を持つ猫は、水分を摂取するために「水を飲む」という行為が普通ではありません。水分は飲むのではなく食べ物から摂取してきましたので、いつもドライフードを食べさせているなら、ウェットフードを中心とした食生活に変えることも一つの対処法になります。


その上で、その子が積極的に水を飲もうとする与え方や環境にも注意を払ってあげましょう。

猫の給水器の種類と選ぶ際の注意点

猫の給水器はとても種類が豊富ですが、主に3つに分類することができます。

噴水のように循環する水が出てくる電動式

循環式はフィルターでゴミや食べかすが取れるため、水を綺麗にできる利点があります。水が動いていることで猫は「新鮮である」と認識できますので、好んで飲んでくれる子も多いです。蛇口のように水が飛び出るタイプと湧き出た水が滝のように流れるだけのタイプがあり、好みがわかれますので試してみてください。

電動式の注意点として、電源コードへのいたずらや故障によって循環が止まってしまうことがあります。循環しなくても水が飲めるタイプもありますが、水が飲めないタイプは予備として水皿も用意しておくと安心です。また、製品によってモーター音やピチャピチャという水音が異なります。猫の好き嫌いもありますが、ヒトの好き嫌いにも注意が必要です(夜中の水音は意外と気になるものです)。

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飲んだ分だけタンクから水が追加される水皿

水皿にタンクが付いたタイプは水皿の水が無くなると気圧によって自動でタンクの水が追加されますので、ただ貯めておくより新鮮な水を飲ませてあげることができます。多頭飼いですぐに水が無くなってしまう場合にもおすすめです。

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貯めておくだけの水皿

最も一般的なタイプで、故障の心配が無いのが利点です。お皿をひっくり返したりバチャバチャ水遊びをしたりすることもありますので、置き方に注意したり、下に吸水性のあるマットを敷いたり工夫が必要です。


3種類ともに、プラスチック、ステンレス、陶器など材質もさまざまです。不安定なものや軽すぎるものはひっくり返してしまうこともありますので、安定感のあるものを選びましょう。また低すぎると喉を圧迫してしまったり、吐き戻しの原因となってしまうため、ある程度高さがあることも大切です。敏感なヒゲが容器にあたらないかもチェックしてあげましょう。

猫が好きそうな場所に置いてあげる

猫は好奇心旺盛な一方で繊細な性格も持ちます。嫌なことがあった場所や警戒するものがある場所では水を飲みたがらないかもしれません。そんな猫ちゃんのために、水場は1箇所に絞らず、できるだけ多く用意してあげましょう。トイレなど不衛生になりやすい場所や人通りの多い場所は避け、お気に入りの場所に満遍なく置いてあげることが理想です。


猫に飲ませていい飲み物と飲ませてはいけない飲み物

水を飲む猫

水やウェットフードだけでなく、牛乳などで水分を摂らせてあげようと思う飼い主さんもいると思います。飲ませてはいけないものもありますので、必ず確認してからあげるようにしてください。

牛乳

捨てられていた子猫にミルクをあげるイメージを持っている方も少なくないと思いますが、実は猫に牛乳はNGです。猫は乳製品アレルギーの子も多く、乳糖を分解する酵素を十分に持っていないため、下痢嘔吐を引き起こす危険性もあります。お腹を壊さなかったとしても、牛乳は猫の乳に比べてタンパク質や脂肪の量が少なく、猫にとって必要な栄養が摂取できません。あげるなら猫用として販売されているミルクをあげるようにしましょう。

乳組成
   ネコ乳 イヌ乳 牛乳
乾物(%) 21.0 22.7 12.3
粗タンパク質(%) 7.5 7.5 3.3
粗脂肪(%) 9.5 8.5 3.6
乳糖(%) 3.3 4.0 4.7
総エネルギー(kcal/100g) 14.5 19.0 38.2
乾物中乳糖(%) 14.5 19.0 38.2

参照:日本ペット栄養学会(2014)『ペット栄養管理学テキストブック』


コーヒー、紅茶、緑茶

コーヒー紅茶緑茶のすべてに猫に有害なカフェインが含まれています。心筋や中枢神経が刺激され、痙攣や不整脈などの危険な症状を引き起こしてしまう恐れがありますので飲ませてはいけません。


麦茶

麦茶は大麦を原料としているためカフェインを含まず、含有しているマグネシウムなどのミネラルも微量なので基本的に問題ありません。心配な場合は水で薄めてあげましょう。麦茶の香りを好む猫もいますので、どうしても水を飲んでくれないときに麦茶を少しあげてみるのもいいかもしれません。

猫が水をこぼす理由

手で水をすくう猫

猫ちゃんの中には水を飲まずに前足でバチャバチャと遊びだしてしまう子もいるかもしれません。純粋な好奇心によるイタズラだったり、器がヒゲにあたることが嫌だったりするためかもしれません。水の中のゴミが気になるのか、手ですくって飲む子もいるようです。器が気に入らないせいかもしれませんので、器の材質や高さを変えてあげるとおさまるかもしれません。

水が大好きな猫もいる!?

猫は基本的に水に濡れることを嫌いますが、中には水浴びを好む「ターキッシュバン」という猫種もいます。トルコにあるバン湖周辺で発見されたことから名付けられた猫で、毛には高い防水性が備わっており、皮膚が直接水に触れにくくなっています。


猫が水を飲み過ぎるのも危険! 考えられる病気は?

水を飲む猫

水を飲まないのも問題ですが、逆に飲みすぎるのも問題です。いつもと比べて極端に飲む量やおしっこの量が増えたときは注意してください。膀胱炎や慢性腎臓病、糖尿病などの病的な要因が潜んでいる可能性があります。注意すべき量や同時に現れる症状など、詳しくは以下の関連記事をご覧ください。


猫の水分管理はとてもデリケート、常に注意を払ってあげましょう

犬

猫の長生きに水分管理は欠かせないと言われています。ドライフードばかりあげている飼い主さんは、ウェットフードへの切り替えも検討するとともに、清潔な水道水をお家の複数個所に置いて、どのくらい飲んでいるか毎日確認するなど常に注意を払ってあげてください。
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