【獣医師執筆】犬がダイエットに成功できる食事・運動の7つの方法!適正体重の測り方も解説
犬のダイエットの基本は「食事」と「運動」です。ただし、犬の場合は毎日の散歩が欠かせませんので運動より食事に課題があることが少なくありません。今回は最適な食事量や食事回数、おやつやかさ増し食材の与え方から散歩の考え方まで、犬のダイエット方法を獣医師の佐藤が解説します。
犬にとってダイエット(適正体重)が大切な理由
犬も人も、肥満は体に良い状態とは言えません。「うちの子は少しふっくらしてるほうがが可愛い」と思っている飼い主さんもいると思いますが、それが「少しふっくら」ではなく「肥満」だとしたら、愛犬の寿命に大きく関わってくることになります。
肥満が病気につながる
肥満の犬は病気にかかりやすくなります。「免疫力を下げる」「臓器に脂肪が沈着して機能が弱る」「体重が関節に負担をかける」など、肥満になると体中で良くないことが起こるからです。具体的には、皮膚病や膵炎、糖尿病になったり、心臓病を悪化させたり、関節の問題が出たりします。肥満の犬は寿命が短い
これまで数々の調査研究からも肥満の犬ほど寿命が短いことが明らかになっています。例えばイギリス・リバプール大学ら研究チームの報告によると、ヨークシャーテリアやチワワで2年ほど、12犬種全てで肥満の犬ほど寿命が短くなる傾向が見られたそうです(※1)。アメリカ・ネスレリサーチセンターも同様に、ラブラドールレトリーバーを対象にした調査で、肥満の犬と正常な犬で寿命に2年近い差が出たことを報告しています(※2)。
※参照1:『Association between life span and body condition in neutered client‐owned dogs』(Journal of Veterinary Internal Medicine)、参照2:『Diet restriction and ageing in the dog: major observations over two decades』(British Journal of Nutrition)
犬のダイエットは適正体重を知ることから
飼い主さんがダイエットの大切さを理解したとしても、「適正体重」というゴールがわからなければダイエットは成功しません。仮に痩せすぎてしまったら、それもまた問題です。そこで、飼い主さんが適正体重を知る方法として「ボディコンディションスコア」(BCS:Body Condition Score)を利用しましょう。
以下の表を参考に、3の理想体型を目指してください。その時の体重が適正体重(成犬期)です。BCSでは細かい体重の変化がわかりませんので、適正体重を基準として増えたか減ったかを定期的に確認することで体重管理・体調管理につながります。
参照:『飼い主のためのペットフード・ガイドライン』(環境省)
BCS1 | 痩せ | 助骨、腰椎、骨盤が容易に見え、触っても脂肪がわからない状態。腰のくびれと横から見た際の腹部の吊り上がりが顕著です。背骨がゴツゴツと見える場合もあります。 |
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BCS2 | やや痩せ | 助骨が容易に触れます。上から見て腰のくびれが顕著、横から見て腹部の吊り上がりも明瞭な状態です。 |
BCS3 | 理想体型 | 過剰な脂肪の沈着がなく助骨を触れます。上から見て肋骨の後ろに腰のくびれが見られ、横から見た際は腹部の釣り上がりも見られます。 |
BCS4 | やや肥満 | 脂肪の沈着はやや多いものの、肋骨は触れます。上から見て腰のくびれはありますが顕著ではなく、腹部の釣り上がりはやや見られる程度の状態です。 |
BCS5 | 肥満 | 助骨は厚い脂肪に覆われて容易に触れません。腰椎や尾根部にも脂肪が沈着しています。腰のくびれはないか、ほとんど見られません。横から見て腹部の吊り上がりはないか、むしろ垂れ下がっている状態です。 |
体重の測り方やボディコンディションスコアの確認方法は以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
犬のダイエット方法(食事編)
健康なのに体重が増える理由は「食事量が多い」「運動量が少ない」のどちらか、もしくは両方です。また、チワワやトイプードルなど犬種によってダイエット方法が変わるわけではありません。まずは食事の見直しでできるダイエット法から解説していきます。
01【犬のダイエット方法】適量のフードを与える
エネルギーとして出ていく量より食べる量のほうが多ければ体重は増えていきます。飼い主さんで多いのは、「袋からごはん皿にザザーっとテキトーに入れている」パターンです。これで太っているなら食事量が適切ではありませんから、きちんと量って与えるようにしましょう。
次に多いのは、「ドッグフードのパッケージに書いてある体重あたりの推奨量を与えている」パターンです。「言われた通りに与えるのがダメなの!?」と思うかもしれませんが、私たちと同じく痩せやすい・太りやすい体質もあれば、同じ体重でも運動量が多い犬と少ない犬や不妊去勢手術の有無などで食事量は異なります。平均値としての推奨量ですので、愛犬に合った量を与えるようにしましょう。そのためには、class="under-line">1ヶ月に1度は体重を測り、増減を確認し、増えていてBCSも理想体型より増えたらカロリーを減らす、減っていてBCSも理想体型から減ったらカロリーを増やすようにしましょう。
もしかしたら、「平均値からズレていると言ってもちょっとした差でしょ?」と思うかもしれませんが、私たちと犬では体重が10倍以上の差があるわけですから、単純計算でclass="under-line">犬にとっての10gは私たちにとっての100gになります。ダイエットをしている人が毎日ご飯を大盛りにしていたら痩せませんよね。
愛犬にとってのフードの適正量を知るために、毎日の与えるカロリー量を計算しましょう。毎日の最適必要量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。
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02【犬のダイエット方法】おやつを与えすぎない
ごはんが適量だったとしても、おやつを食べすぎて摂取カロリー量オーバーになっている場合もあります。ごはんへのトッピングを含めて、おやつは1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。
意識していただきたいのは、「家族全員でルールを守る」ということです。「お腹を空かせてかわいそう」とこっそりおやつを与えたり、食卓からわざとごはんを落としたり、犬のダイエットを阻む家族が隠れているかもしれません。全員が肥満のリスクを理解して取り組まなければいけません。
ペトコトフーズのおやつは四国産若どりや鹿児島県産の紫いも、青森県産のりんごなど国産食材をふんだんに使用し、獣医師が監修した保存料無添加のおやつです。
- 全犬種・全年齢が対象!
- フリーズドライ製法なので常温保存可能!
- ジッパー付きのパッケージで散歩のお供にも!
水に浸すと食材本来の歯応えに戻るため子犬からシニア犬まで楽しんでいただけます。
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03【犬のダイエット方法】食物繊維でかさ増しダイエット
食べることが大好きな愛犬のごはんを減らすのはかわいそうと思う飼い主さんも多いと思いますが、食事量を減らさずにカロリー量を減らす方法として、食物繊維を使ったかさ増しがあります。食材としては野菜や「おから」がよく知られているのではないでしょうか。
食物繊維は「水に溶けやすい水溶性」と「水に溶けにくい不溶性」の2種類の特性を持ちます。水溶性は水に溶けてゲル状になって胃腸に溜まり、不溶性は保水してフードや糞便をかさ増しするのが特徴です。満腹感を得るためには水溶性、便秘がちな子には不溶性がいいでしょう。食物繊維は腸内細菌のエサになり腸内環境の改善にもつながります。
食物繊維を含む野菜などの食材としては以下がオススメです。最適カロリー量の10%以内を目安に、トッピングやおやつとして与えてください。食物繊維について解説した関連記事も参考にしていただくといいでしょう。
04【犬のダイエット方法】食事回数を増やす
多くの飼い主さんは愛犬の食事を1日2回にしていると思います。これは犬の消化スピードに合わせた回数ですが、与える量を変えずに回数を増やすことはダイエットに有効です。一気食いをしてしまう犬は特に「食事」という行為そのものに満足感を得る場合がありますので、1日3〜4回にわけてあげることを試してみてください。
05【犬のダイエット方法】食事を見直す
ドッグフードを見直すことも大切です。新鮮な食材を使用し、食材の栄養素を残し、消化に良いご飯を与えることが健康的な体重に近づける一歩です。ダイエットフードもありますが、あくまで低脂質フードになりますので、基本的には栄養バランスの取れた総合栄養食のごはんを与えるべきです。ペトコト代表・大久保の愛犬コルクもコーギーですが、ずっとスリムな状態をキープしています。
犬の食べ物は「エサ」と呼ばれていた時代から、家族の「ごはん」と呼ぶ時代へ変わりました。私たちと同じように、犬も栄養バランスの良いごはんを食べることで健康を維持することができます。ごはん選びをする際は、以下の2点を気を付けていただくといいでしょう。
1. 総合栄養食を適量与える
犬が必要とする栄養は人間と同じではありません。そこで生まれたのが「総合栄養食」と呼ばれるごはんです。おやつなど「一般食」や「副食」と呼ばれるごはんだけ食べていると体を壊してしまいますので、「総合栄養食」のごはんを選ぶようにしましょう。総合栄養食を食べていても与える量が少なければ痩せてしまいますし、多ければ太ってしまいます。パッケージに書かれた食事量は目安ですので、ボディ・コンディション・スコアで「3」の「理想体型」を維持できる量を与えるようにしてください。
2. 添加物の少ない新鮮なごはんを選ぶ
犬のごはんと聞いて「カリカリ」と呼ばれる茶色い豆粒を想像される方も多いと思いますが、正しくは「ドライフード」と呼ばれる加工食品です。保存しやすく食いつきも良いことから犬のごはんとして一般的になりましたが、高温加熱によって食材本来の栄養が失われ、添加物も多く含まれることから見直しが進んでいます。新鮮な野菜を犬や猫に与え続けることで、様々ながんに罹るリスクを軽減することが研究で判明していたり、市販のドライフードを製造する工程の1つである高温加熱処理が、タンパク質の品質劣化を招き、熱に弱いビタミンを破壊し、さらには発がん性物質を生成してしまうことが、研究により判明しています。そこで生まれたのが素材本来の旨味や香りが楽しめ、余計な添加物も入っていない「フレッシュフード」と呼ばれる新鮮なごはんです。ペトコトフーズもその一つで、子犬からシニア犬(老犬)まで毎日のごはんにすることができます。もちろん総合栄養食で、主食としても、トッピングとしてもご利用いただけます。ポークメニューには、おからが入っていたり、食物繊維も豊富で水分量が多いため、満腹感が満たせるごはんです。
実際に従来のドライタイプのドッグフードよりも、水分がより多く含まれた手作り品質のごはんを食べている犬の方が寿命が3年も長くなることが研究により明らかになっています。新鮮で美味しく、健康なごはんを選ぶことが長生きできる秘訣です。
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犬のダイエット方法(運動編)
太っている理由で食事の問題にされがちですが、実は運動面に課題がある場合が多いです。私たちと同じく、1日に必要な摂取量と消費量で摂取量が大きく上回ると太っていきます。両面から見直すことで、ダイエットが成功しやすくなります。
06【犬のダイエット方法】定期的な散歩
ダックスフンド、ポメラニアン、ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバー、ビーグル、パグなどは食欲旺盛で太りやすい犬種です。狩猟犬や牧羊犬など、犬種の特性として運動量が必要な犬種も見合った運動ができていないと太りがちです。ハウンド種やレトリーバー種、テリア種、日本犬などが当てはまります。
サイズでは大型犬より小型犬のほうが食事量の誤差が大きく影響するため太りがちです。小型犬の飼い主さんの中には室内運動だけで十分と考えている方もいるのですが、体力的に問題ない限り散歩がいらない犬はいません。外での散歩はストレス解消にもつながる重要なイベントですので、必ず家の外に出て適度な運動をするようにしてください。
07【犬のダイエット方法】プールなどで運動
関節に不安のある子やシニア犬(老犬)はなかなか運動量を確保するのが難しいと思います。最近はリハビリ用の犬用プールを備えた施設もありますし、お出かけができる子であればドッグランや宿泊施設の犬用プールを利用するのもいいでしょう。毎日とは言わずとも、定期的な運動をすることが大切です。
まとめ
肥満は犬の寿命を縮める
BCSで適正体重を知る
愛犬に合った食事量を与える
散歩がいらない犬はいない
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