
犬の食事で大切なこと。量や回数、手作りごはんの考え方を解説【獣医師監修】
愛犬の健康のために大切な「食事」。初めて犬と暮らす方だけでなく、偏食や肥満、アレルギーなどの悩みを抱える飼い主さんも少くないと思います。そこで今回は、「犬の食事」について、肉や野菜の摂り方、適切な量や回数、手作りごはんの考え方などを獣医師の佐藤先生監修のもと解説していきます。#犬の食育
犬の食事で大切なこと

犬の食事も基本的な考え方は人の食事と変わりません。大切なのは、「それぞれの体に合ったバランスの良い新鮮なごはんを、適切な量だけ食べること」です。
ただ基本は同じでも、犬には「犬の栄養学」があります。愛犬が長生きするためにどんな食事をすればいいのか。押さえてほしいポイントを解説していきます。
体に合った食事

犬には犬種やサイズ、年齢、性別、性格などさまざまな違いがありますが、基本となる食事は「総合栄養食」のドッグフードです。
総合栄養食の中でも年齢別に子犬用、成犬用、シニア犬(老犬)用と分かれているものもありますし、ペトことオリジナルのドッグフード「PETOKOTO FOODS」のように全年齢に対応しているものもあります。
中にはトイプー用、チワワ用のように犬種ごとに分かれっているものもあります。犬は自分のごはんを選べませんので、飼い主さんが「うちの子に合ったごはんは何だろう」と探してあげることが大切です。
子犬期の食事

子犬期は成長や豊富な活動量のために多くのエネルギー、カロリーが必要です。無制限に食べさせていいというわけではありませんが、子犬期は食べ過ぎよりも栄養不足に注意してください。
適正なカロリー量は成長とともにどんどん変化しますので、ペットショップなどで最初に教えてもらった量を続けていると不足してしまいます。子犬期は1週に1回、体重を量り、その都度、1日の適正カロリー量を確認するようにしてください。
その際、PETOKOTO FOODSの「フード診断」(無料)をご利用いただくと、簡単に適正カロリー量を知ることができます。体重測定のやり方は、佐藤獣医師の解説動画を参考にしていただければと思います。
成犬期の食事

成犬期になると、子犬のときのような食事への執着は少くなっていきます。選り好みする子も出てきますので、ドッグフード選びに苦労する飼い主さんも多くなるでしょう。ここで気を付けていただきたいのは、「飼い主さんが焦らないこと」です。
犬はお腹が空けばごはんを食べます。しかし、ちょっと我慢すればもっと美味しいものが食べられると気付くと、食べなくなってしまいます。特に、「何も食べないよりマシ」とおやつをあげてしまう飼い主さんは注意が必要です。
おやつばかり食べていれば栄養不足になりますし、痩せ過ぎたり、太り過ぎたりもしてしまうでしょう。獣医師やドッグトレーナーにも相談して、何を食べさせるかだけでなく、どう食べさせるかも含めた食生活を考えるようにしてください。
シニア(老犬)期の食事

シニア期の初期は、食欲が変わらないまま活動量が減ることで肥満になりがちです。肥満になったことで余計に活動量が減る悪循環も起きますので、「うちの子はまだまだ元気」と過信せず、適正な食事量の変化に注意するようにしてください。
さらに年を重ねると、今度は食欲が落ちて体重が減っていきます。ドライフードがだんだん食べにくくなり、水分の摂取量も減っていきます。食べやすく水分も一緒に摂れるウェットフードを中心にすることをオススメします。
バランスの良い食事とは

私たちは毎日いろいろな料理を食べますので、一食のバランスが悪くてもすぐ栄養不足になることはありません。しかし、犬の食事は私たちほどバリエーションがあるわけではありませんので、一食ごとの栄養バランスが重要です。
前述の通り、必ず主食のドッグフードは「総合栄養食」を選ぶようにしてください。国内では「ペットフード公正取引協議会」、欧米では「AAFCO」や「FEDIAF」といった団体が定める栄養基準で作られた総合栄養食が多く販売されています。
新鮮なごはんとは

私たちは毎日、出来たての新鮮なごはんを食べて生活しています。栄養がバランス良く摂れるクッキーがあったとして、みなさんはそれが一生の食事でいいと思いますか? ほとんど人は新鮮なごはんを食べたいと思うはずです。
では、なぜ家族であるはずの愛犬にはドライフードを食べさせているのでしょうか?
ドライフードのメリット・デメリット

ドライフードのメリットとして、保存性の高さや持ち運びのしやすさ、そして何より準備の楽さが挙げられます。どれも飼い主さんのメリットで、犬にとってのメリットではありません。強いて挙げるなら、災害時の非常食になることでしょうか。
デメリットとして、高温加熱により栄養素が失われること、成形や保存のために余計な添加物が必要になること、どんな食材が使われているかわかりにくことが挙げられます。どれも犬のためにならない話です。
犬は自分で食べ物を選べませんから、飼い主さんが正しい選択をしなければいけません。愛犬のごはんが本当にドライフードで良いのかどうか。メリット・デメリットを考えた上で選ぶようにしてください。
ごはんの適切な量とは

その子に合った栄養バランスの良い新鮮なフードを食べていたとしても、量が少なければ栄養失調になってしまいますし、多ければ肥満になってしまいます。それは見た目や体重の変化だけでなく健康状態、そして寿命に直結していきます。
その子に合った量を知るためには、PETOKOTO FOODSの「フード診断」(無料)をご利用ください。質問に答えていただくことで、その子に最適なカロリー量を知ることができます。
無料フード診断を受ける

犬の食事の適切な回数
私たちは朝・昼・晩と1日3回の食事が基本になっていますが、犬は消化に8〜10時間ほどかかるため食事は12時間ごと、つまり1日2回が基本です。犬は1回の量よりも回数に満足感を得やすいとされています。肥満が気になる子は食事の回数を多くしてあげるといいでしょう。実際、食事の回数が多い犬ほど肥満が少なかったという調査結果もあります。
子犬は食欲旺盛ですので、食べすぎないように回数を増やして1回の量を少くします。これは肥満を心配してというより、体に負担がかかって嘔吐や下痢にならないようにという配慮です。
シニア犬(老犬)は逆に食べる量が少なくなります。食べ残しをそのままにしておくと悪くなってしまいますし、最終的に1日の食べるべき量に満たないことがあります。回数を増やして、新鮮なごはんを少しずつ食べられるようにしてあげてください。
手作りごはんのメリット・デメリット

愛犬に新鮮で美味しいごはんを食べさせてあげたいと、手作りごはんに挑戦されている方は少くないと思います。犬も新鮮なほうが美味しいと思いますし、飼い主さんの愛情が込められたごはんに満足度も高いでしょう。
健康面でも、市販されているカリカリのようなドッグフードより手作りごはんを食べている犬のほうが3年長生きしたという研究もあります。ただし、ペトことでは毎日のごはんを手作りにすることはオススメしていません。
犬の栄養をしっかり学んだ人でないと、偏った栄養のごはんを食べさせて不健康になる恐れがあるからです。実際、手作りごはんを食べさせている犬の具合が悪くなり病院に行ったところ、手作りごはんが原因だったという事例も報告されています。
毎日でなければ、特別な日のごはんやいつものごはんへのトッピング、おやつとして手作りを食べさせるのは問題ありません。以下の関連記事にレシピをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
犬の食事でよくある質問

犬の食事についてもっと知りたいという方は、ぜひ文中で紹介した関連記事も読んでいただけると幸いです。以下でも、よくある質問にお答えします。
食事の時間は決めたほうがいい?
朝・昼・晩のように大雑把に時間を決めるのはいいのですが、毎朝7時、毎晩18時のようにピッタリ時間を決めてしまうのはオススメしません。犬は賢く、時間を決めてしまうと「この時間になればごはんがもらえる」と学習するようになります。常に決められた時間にごはんを出せればいいのですが、もらえるはずの時間にもらえなければ犬にとってストレスになりますし、「要求吠え」や「空腹による嘔吐」につながる場合もあります。
ごはんは「時間になれば食べられる」「自分が要求すれば食べられる」と覚えさせてしまうのではなく、「ごはんは飼い主さんが適切なタイミングで用意する」と覚えさせることが大切です。
食事台を使ったほうがいい?

お皿を床に置くと犬は下を向いてごはんを食べることになりますから、あまり食べやすい姿勢とは言えません。大型犬やシニア犬(老犬)は特に食べにくく、体への負担が大きい可能性があります。
高さを作るために、専用の食事台を購入するのもいいですし、台の上に普段のお皿を置くだけでもかまいません。お皿の高さが、犬の胸元のあたりになるよう調節してあげてください。
食事を食べないときはどうすればいい?

犬の食欲不振は、口内の異常から腎不全、がんなど全身の病気、誤飲やストレスまでさまざまな理由が考えられます。急に食べなくなった場合は、体に問題が起きている場合もありますので病院に行くようにしてください。
一方、単純に「わがまま」で食べない場合もあります。ごはんを変えることで解決する場合もありますし、トレーニングが必要な場合もあります。獣医やドッグトレーナーに相談しながら、適切に対処することが大切です。
偏食のワンちゃんとの向き合い方について、以下のYouTube動画や関連記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
気になることがあれば専門家に聞いてみよう!

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