コーギーのしつけは難しい? 吠える場合や噛み癖、運動不足の対処法を専門家が解説

コーギーのしつけは難しい? 吠える場合や噛み癖、運動不足の対処法を専門家が解説

SNSでもしばしば可愛さが話題になるコーギー。牧羊犬なので活動的で頭が良いのが特徴ですが、牧羊犬だからこそみられる、吠えや噛み癖といった問題行動もあります。今回は、そんなコーギーのしつけ方について、ドッグトレーナーの西岡が解説します。


コーギーをしつける前に

世の中にはたくさんのしつけ本やメソッドがありますが、犬種ごとにそれぞれ適したしつけ方法が異なります。さまざまな情報に溢れているので、飼い主が愛犬にあったものを取捨選択をすることも大切です。

主従関係よりも信頼関係を築く

以前は「しつけ」というと、犬と飼い主の主従関係を築くことが基本であるといわれていました。しかし近年は犬を支配するのではなく、犬と飼い主がお互いに心を開き信頼しあうことが大切であると、専門家の間でも考えられています。

信頼関係を築くことができない飼い主の行動の例として、ネガティブな気持ちを犬に押し付けたり、頭ごなしに叱ったり、一貫性のない行動をすることなどが挙げられます。どんなに正しい方法でしつけをしていても、信頼しあう関係にない犬と飼い主がトレーニングをすることは難しいです。犬が安心できる環境を整えることから始めましょう。


コーギーの性格の特徴を知る

コーギーは、活発で自信に溢れた犬種です。飼い主を喜ばせることよりも、自分で何かを追いかけて楽しむことを好みます。また、立ち耳の犬は気が強いといわれることがありますが、コーギーも例外ではありません。気が強い分、社会化が難しいところもあるので、子犬の頃からさまざまな犬と触れ合わせておくなどの適切なトレーニングが必要です。


コーギーのトイレトレーニング

コーギーは胴が長いこともあり、トイレシートを使ったトイレでは、シートから外れてしまうこともあります。あまり頻度が高い場合は、トイレを囲ったり、サイズを変えたり、場所を変えることで改善されることもあります。失敗したときには叱らず、成功したときに褒めて学習させ、自信をつけるのが成功への近道です。

また、成長するにつれて外でしかしなくなってしまうことも多いですが、できれば成犬になっても家に設置したおしっこシートの上でもできると理想的です。犬が高齢になれば排泄のためだけに長時間のお散歩をすることが大きな負担になりますし、おしっこの色が確認できないので健康の変化に気がつくチャンスを失うことにもなります。

トイレトレーニングは小さい頃から始めると、飲み込みが早いです。おしっこをするときに「トイレ」や「ワンツー・ワンツー」と声をかけてトイレの合図として定着させておくと、引っ越し後などもすんなりとトイレの場所を覚えさせることができるので、コントロールしやすくなります。

中には飼い主の気を引くためにわざと間違った場所でおしっこをする犬もいます。このケースでは、犬をクレートに入れるなどして飼い主が見えない場所に連れていき、犬がいない間に掃除をしましょう。もちろん、遊んであげる時間が短すぎる場合には、根本から解決策を見つけてあげてください。


コーギーの問題行動

“コーギーの子犬”

人になつきやすい性格のコーギーですが、ストレスを溜めていたり極端なしつけを行なっていると、問題行動が現れることもあります。放置しておくと大きな事故にもつながりかねないので、問題行動が見られたら、早めの対応としつけの見直しを行ってください。

コーギーの無駄吠え・噛み癖

コーギーは気が強いので、子犬の頃から社会化しておかないと、相手を威嚇する問題行動が見られるようになってしまいます。牧羊犬という特徴から動くものにも吠えやすいので、相対的に無駄吠えが多い犬種といえます。

社会化には、ほかの人や犬に慣れさせることが大切です。犬も人間と同じように、ほかの犬と触れ合ったりひとり遊びをすることで社会性を身につけていきます。飼い主が間に入りながら、犬同士がうまくコミュニケーションを取れるようにトレーニングを行いましょう。


コーギーの甘噛み

遊びの中で甘噛みをするコーギーも多いですが、顎の力が強いので、けがにつながることもあります。人が痛みを感じるほどの強さで噛んだときは一度遊びを中断して、クールダウンさせましょう。成長過程で歯がかゆい子犬には、噛んで遊べるおもちゃを与えて、一緒に遊んであげてください。


コーギーに必ず教えたいコマンド

伏せをするコーギー

指示をするときのコマンドは統一しましょう。一つの目的につき1単語が基本です。コマンドは犬の興奮を抑えたり、緊急時に役に立ちます。

待て

「待て」は、本能的な衝動で行動することが多いご飯やおやつをあげる前にトレーニングを取り入れると効果的です。コーギーは見た目以上に体重と力があるので、人の力だけでコントロールすることは難しいです。お散歩中の拾い食いなどもコマンドで防止することができるので、家の中だけではなく屋外でもきちんと身につけておきましょう。


おすわり

「おすわり」や「すわれ」は、座ったらおやつをあげる、を繰り返して教えるのが一般的です。興奮しているときはもちろん、信号待ちで飛び出さないように落ち着かせることで危険を回避できます。また、威嚇した様子の犬が近づいて来ているときには、愛犬を道の端に座らせて、先に通過してもらうことでトラブルを防げます。


ハウス

クレートやケージに行かせるためのコマンドですが、来客時や寝るとき、そして災害時などに必要です。さらに、問題行動をなおすしつけをするときにも、ハウスを使ったトレーニングは有効的です。さまざまなしつけに応用して使えるコマンドなので、ぜひマスターさせましょう。


おいで

コーギーはおもちゃで遊ぶことが好きなので、遊びや運動を兼ねて「おいで」のトレーニングをすると、身につきやすいです。このコマンドは難易度が低いので、さまざまなしつけの導入としてやることで自信にもつながります。


コーギーのしつけに必要なもの

コーギーのしつけは、楽しい仕掛けを取り入れながら行うのが効果的です。

ご褒美(おやつ)

特にコマンドを教える際などは、ご褒美なしで進歩させるのは難しいです。繰り返して練習することが多いので、ひと粒が小さく、嗜好性が高いヘルシーな食材でできているものがおすすめです。たくさん食べるので、太らせないように注意しましょう。


おもちゃ

おもちゃで遊ぶことが好きなコーギーには、飽きずに遊べるお気入りのおもちゃを与えてあげてください。特に引っ張りっこが好きなので、ロープのように長く掴めるものがおすすめです。

身体を使えるボールなどのほかにも、頭を使うおもちゃなど作業欲が満たされるもので遊ぶことでも体力を消耗します。ストレス発散、問題行動の軽減に効果的です。

さらにおもちゃはクレートの中で落ち着かせるためにおもちゃを用意したり、人のものを咥えたときに離させるトレーニングにも使えます。むやみにあげるのではなく飼い主の顔を見ることができたらおもちゃを与えるなど、ルールを作っておくと、その後のしつけにも応用しやすくなります。


クレート・サークル

お留守番や夜寝る場所になるだけでなく、トイレトレーニングや「ハウス」のコマンドトレーニング、無駄吠えをなくすトレーニングなど、さまざまなシーンで使います。お気に入りの場所になるよう、環境を整えてあげてください。


ストレスを軽減させるために

コーギー

問題行動の原因がストレスの場合には、しつけよりも先に根本的な原因を取り除くほうが優先度は高いです。

運動量を増やす

まとまった量の運動が必要な犬種です。山や海など時間のある限り、自然の中で運動させてあげるととても良いストレス解消になります。お散歩の時間を増やしたり遊ぶ時間を作ることも、ストレス解消に大きな効果があります。

音・環境に慣れさせる

雷や花火などの大きな音を苦手とする犬はたくさんいます。これらは自然現象なのでトレーニングで慣れさせることは難しいですが、パニックを起こしにくくする訓練は飼い主と一緒にやることができます。

それ以外の日常的な音が原因でパニックを起こす場合には、防音をしたり音の原因を取り除くなどの対応も、可能な限りできると好ましいです。コーギーは周りの環境にはそこまで神経質ではないので、子犬の頃からさまざまなものと触れ合う機会を作っておくと、無理なくいろいろな環境に慣れさせることができます。

それでも興奮してしまう音やものがある場合には、何度もその音を聞かせながら、「おすわり」や「ハウス」のコマンドとおやつを使ったしつけが効果的です。


ボディーコントロール

身体のどこを触っても嫌悪感を抱かせないために行うトレーニングです。コーギーは動物病院での診察で噛み付くことが多い犬種のうちの一種です。子犬の頃から負担のない程度に身体のいろいろな箇所を触ってトレーニングしておくことが、少しでも抵抗感を減らすことにつながります。ボディーコントロールができていれば、診察のときだけでなく日々のケアにもメリットがあることはいうまでもありません。

身体を仰向けにしてお腹を見せる「リラックスポジション」と呼ばれるところまでコントロールできるようになると、理想的な状態といえます。


しつけをトレーナーや教室に依頼するメリット

ここまでコーギーのしつけに関するさまざまなポイントをご紹介しましたが、個人ではどうしても難しい場合や、高いしつけ効果を望む方も多いと思います。そんなときは、プロに依頼するのも一つの方法です。個人でのしつけでは得られないメリットもあります。

犬の社会化に効果がある

ほかの犬に吠えたり噛み付いたりする問題行動がある場合、個人で社会化のトレーニングをさせるのは危険やトラブルを伴うことがあります。しかし、トレーナーの元やしつけ教室では複数の犬と交流できることが多いため、プロの指導のもと社会化トレーニングを行うことができるのです。

愛犬のことを客観的に知ることができる

普段家で一緒に過ごす愛犬の姿だけを見ていると、家族としての一面しか知ることができませんよね。トレーナーやしつけ教室に依頼をすると、愛犬の意外な姿を見ることもあります。愛犬を客観的に知ることで、飼い主との信頼関係をより深めることにもつながります。


コーギーを正しくしつけよう

コーギーは従順な一方で、使命感から人間にとっては問題にあたる行動を起こすこともある犬種です。頭ごなしに叱るのではなく、コーギーの特徴を理解しながら根気よく、効果的なしつけトレーニングを行ってあげてください。

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