ジャックラッセルテリアのしつけは難しい?無駄吠えや噛む場合などをトレーナーが解説

小さな体に似合わずエネルギッシュな犬として知られるジャックラッセルテリア。体重4〜6kg程度の小型犬ですが、大型犬と同じくらいの運動量が必要な犬種です。飼い主に体力がないと一緒に暮らすには難しく、噛み癖や無駄吠えなどの問題行動が起こる場合があります。今回はジャックラッセルテリアのしつけ方について、ドッグトレーナーの西岡が解説します。

ジャックラッセルテリアをしつける前に知っておくこと

歩み寄るジャックラッセルテリア

犬のしつけ方法は多種多様ですが、犬種に適したしつけ法を見つけるのがポイントです。さらに、飼い主が愛犬に合ったしつけ法を取捨選択していきましょう。

基本は主従関係よりも信頼関係

かつては「しつけ」というと、犬と飼い主の主従関係を築くことが基本であるといわれていました。しかし近年では、犬と飼い主がお互いに心を開き信頼し合うことが大切であると考えられています。

信頼関係を築くことができない飼い主の行動の例として、ネガティブな気持ちを犬に押し付けたり、頭ごなしに叱ったり、一貫性のない行動をすることなどが挙げられます。

どんなに正しい方法でしつけをしていても、信頼し合えていない犬と飼い主がトレーニングをすることは難しいでしょう。


ジャックラッセルテリアの性格

ジャックラッセルテリアは、とにかく元気な犬種です。

陽気で体力もあるので、アウトドアなどのレジャーには喜んでついてきてくれます。しつけを少しでもスムーズに進めるには、遊びたい欲をいかに晴らしながら、ストレスを溜めずに暮らせるかがポイントです。


ジャックラッセルテリアの問題行動

“舌を出すジャックラッセルテリア”

エネルギーがあるジャックラッセルテリアの問題行動は、放置すると大事故にもつながりかねません。

問題行動が見られたら、早めの対応としつけの見直しを行ってください。

無駄吠え・噛み癖

ジャックラッセルテリアは、ほかの犬に対して威嚇することがある犬種です。

テリア種は気が強い傾向にあり、一度吠えや噛み付くためのスイッチが入ると、ものすごい勢いで威嚇し続けます。

これらは社会化不足が大きな原因になっている可能性があるため、子犬の頃に適切なトレーニングを行っていないと修正が難しくなります。

成犬のジャックラッセルテリアを家族に迎えた場合、時間はかかりますがトレーニングをすれば社会化させることは不可能ではありません。


破壊行動

留守番中に家具を壊したり、ゴミを散らかしたりすることがあります。賢く、悪知恵が働きやすいことが理由の1つです。

これらは、ストレスや退屈な時間がもたらすものなので、運動をたくさんさせることが効果的。

トレーニング要素を入れながらお散歩をすると、頭を使うことでより体力を消耗できます。

まだ若い場合は、いたずらができない環境作りも大切です。犬をしつけることも重要ですが、サークルやゲージに入れて動ける範囲を限定したり、壊されては困るものを近くに置かないなど、飼い主側の工夫も必要です。

ジャックラッセルテリアに必ず教えたいしつけコマンド

見つめるジャックラッセルテリア

まず、指示を出すときのコマンドは統一しましょう。1つの目的につき1単語が基本です。

元気も体力もあるジャックラッセルテリアには、興奮を抑えるためのインパルストレーニングを行うことがありますが、コマンドトレーニングはその第一歩としても重要度が高いです。

コマンドは、犬の興奮を抑える効果もあるので、緊急時にも役立ち、犬の安全を守ることができます。

トイレトレーニング

ジャックラッセルテリアはとにかく元気いっぱいですが、頭がいいのでルールやコマンドなどは教えやすい犬種です。

特にトイレトレーニングは、小さい頃から始めると飲み込みが早いです。失敗しても叱らず、成功したときにたくさん褒めてあげることで、成功率が上がってきます。

ポイントは、とにかく叱らないことです。上手にできたら褒める、を繰り返しましょう。

おしっこをするときに「トイレ」や「ワンツー・ワンツー」と声をかけ、トイレの合図として定着させておくと、引っ越し後などもすんなりとトイレの場所を覚えさせることができます。

なかには飼い主の気を引くために、わざと間違った場所でおしっこをする犬もいます。そのような場合には、犬をクレートに入れるなどして飼い主が見えない場所に連れていき、犬がいない間に掃除をしましょう。


待て

「待て」は、ご飯やおやつをあげる前に教えると効果的です。完全に身体で覚えたら、毎回ご飯の度に無駄に待たせる必要はありません。拾い食いをしそうになったときなどに活用しましょう。

家の中だけではなく、どんな状況下でもできるように、普段からトレーニングしておくことが大切です。「待て」のひと言で行動をコントロールすることができるようになれば、危険の回避にもつながります。


おすわり

座ったらおやつをあげる」を繰り返して教えるのが一般的です。興奮しているときはもちろん、 お散歩中、信号待ちの際に飛び出さないように落ち着かせることで、危険を回避できます。

また、威嚇した様子の犬が近づいて来たときには、愛犬を道の端に座らせて、先に通過してもらうことでトラブルを防ぐこともできます。


ハウス

来客時や寝るとき、そして災害時などに必要なしつけです。インターホンが鳴ったときの無駄吠えなどをなくすためにも「ハウス」を使ったトレーニングは有効的。さまざまなしつけに応用して使えるコマンドです。


おいで

ジャックラッセルテリアはおもちゃで遊ぶことが大好きなので、遊びや運動を兼ねて「おいで」のトレーニングをすると身につきやすいです。

難易度が低いしつけなので、自信をつけさせてあげるためにしつけの導入としてやってみるのもおすすめです。


放せ・渡せ

口に入れたら「自分のものだ」と思い込む習性があるジャックラッセルテリアには「放せ」や「渡せ」といったコマンドを教えることが重要です。

人間のものを咥えたときに唸ることもあるので、安全に飼い主に渡せるよう、犬のおもちゃを使いながらトレーニングしましょう。

分離不安について

お散歩や外出時に抱っこしたまま肌身離さないのは、犬の社会化を妨げる原因にもなります。これらは分離不安につながることもあり、お留守番ができなかったり、ペットホテルから宿泊を拒否されたりなど、生活にも影響が出てきます。

特にジャックラッセルテリアの子犬は、お散歩でも元気に動き回るため、途中で手に負えなくなって抱っこする飼い主も少なくありません。

しかしこの行動は犬の社会化に悪影響なだけでなく、運動不足を招きます。そのため、飼い主は忍耐強く愛犬を見守り、正しいしつけを行うようにすることが大切です。

犬も人間と同じように、ほかの犬と触れ合ったり、ひとり遊びをしたりすることで、社会性を身につけます。今まで社会化をしてこなかった犬が、突然「みんなと仲良く遊びなさい」と言われたり、飼い主さんがいなくなったりしたら不安になるのも無理はありません。そのせいで問題行動を起こすこともあります。

分離不安を治すためには、少しずつ時間をかけて社会化をしていくことが効果的です。飼い主への依存状態から脱却し、ほかの犬や人に慣れさせていきましょう。


ジャックラッセルテリアのしつけに必要なもの

見上げるジャックラッセルテリア

ジャックラッセルテリアのしつけは、楽しい仕掛けを取り入れながら行うことが効果的です。

ご褒美(おやつ)

練習は繰り返し行うものなので、ご褒美として与えるおやつは、ひと粒が小さく、太りにくい食材でできているものがおすすめです。食べ過ぎないようにコントロールしながら与えましょう。


おもちゃ

おもちゃで遊ぶことが好きなジャックラッセルテリアには、丈夫なおもちゃを与えましょう。

たくさん必要というわけではありませんが、投げたら持ってこられるようなものや引っ張り合いができるものなど、目的が異なるおもちゃを与えるといろいろな遊び方を習得していきます。

身体を使って遊ぶボールやロープのほか、一見運動につながらなそうなおもちゃでも、頭を使うものであれば体力を消耗し、ストレス発散につながります。

クレートの中で落ち着かせるためにおもちゃを用意したり、咥えたものを離させるトレーニングにもおもちゃを活用できます。

むやみに与えるのではなく、飼い主の顔を見ることができたらおもちゃを与えるなどルールを作っておくと、その後のしつけにも応用しやすくなります。


クレート・サークル

夜寝るときやお留守番時だけでなく、トイレトレーニングや「ハウス」のコマンドトレーニング、無駄吠えをなくすトレーニングなど、さまざまなシーンで使います。愛犬にとってのお気に入りの場所になるよう、環境を整えてあげてください。


子犬のジャックラッセルテリアにしておくと良いしつけ

ジャックラッセルテリアの子犬

社会化トレーニング

成犬でも常に動き回っているジャックラッセルテリアですが、子犬となると誰にも制御することができないほどのエネルギーを持ち合わせています。

このエネルギーをうまく消化できずにいるとストレスが溜まり、それが問題行動につながります。そのため、たくさん遊んであげることが何よりも大切です。

子犬の時期は、すべての犬にとって社会化トレーニングを行う大事なタイミングです。

ほかの犬を威嚇しないようにするために、社会化トレーニングも必要です。早い段階から毎日少しずつさまざまなにおいを嗅がせたり、たくさんの犬と触れ合わせる機会を作ったりして練習していくようにしましょう。

去勢

ホルモンの分泌を抑えることができる去勢も、問題行動の解決策の1つになることがあります。生後7〜10カ月までに行うと効果的といわれます。


ストレスを軽減させるために

見上げるジャックラッセルテリア

問題行動の原因がストレスの場合には、しつけよりも先に根本的な原因を取り除くことが優先です。

十分な量の運動を行う

ジャックラッセルテリアは、まとまった量の運動が必要な犬種です。

毎日のお散歩はもちろん、山や海に出かけるレジャーなど、時間のある限り自然の中で運動させるととても良いストレス解消になります。

エネルギーの持って行き場がなくストレスが溜まると、反動で食欲が増すこともあり、結果として肥満などのトラブルを抱えるので注意が必要です。

音・環境に慣れさせる

雷や花火などの大きな音を苦手とする犬はたくさんいます。これらは自然現象なのでトレーニングで慣れさせることは難しいですが、パニックを起こしにくくする訓練は可能です。

日常的な音が原因で無駄吠えをするなら、防音対策をしたり、音の原因を取り除いたりするなどの対応も、可能な限りやってあげるといいでしょう。

しかし、犬にとって不快な雑音の全てを取り除くことは難しいです。ただ、犬は人間よりも環境の変化に敏感に反応する生き物なので、日々その音を聞かせて慣れさせるというトレーニングを行うことで、その音に徐々に慣れていき、問題行動も減っていきます。


ボディーコントロール

身体のどこを触っても嫌悪感を抱かせないために行うトレーニングです。

子犬の頃から毎日少しずつ、負担のない程度に身体のさまざまな箇所を触る訓練が効果的です。

膝の上に乗せてお腹を見せる「リラックスポジション」までできるようになることが、理想的な状態といえます。


ジャックラッセルテリアのしつけをトレーナーに依頼するメリット

見つめるジャックラッセルテリア

飼い主個人でしつけを行うにはどうしても難しい場合や、高いしつけ効果を望む方も多いと思います。そんなときは、プロにお願いするのも1つの方法です。

犬の社会化に効果がある

ほかの犬に吠えたり噛み付いたりする問題行動がある場合、個人で社会化のトレーニングをさせることは、危険やトラブルが伴うことがあります。

しかし、トレーナーのもとやしつけ教室では、複数の犬と交流できることが多いため、プロの指導のもと適切なトレーニングを行うことが可能になります。

愛犬のことを客観的に知ることができる

家で一緒に過ごす愛犬の姿だけを見ていると、家族としての一面しか知ることができません。

しかし、しつけ教室なら家族以外にもきちんと心を開く姿を見ることができたり、ほかの犬に対する意外な反応を見ることができます。

愛犬を客観的に知ることで、愛犬と飼い主との絆が、より強くなるでしょう。


まとめ

走るジャックラッセルテリア

ジャックラッセルテリアは元気で頭がよく、とにかく体力がある犬種です
子犬の頃からしつけや社会化トレーニングを行うことが大切です
毎日まとまった時間のお散歩や遊びの時間が必要です

ジャックラッセルテリアは可愛らしい小型犬ですが、実際に一緒に暮らしてみると、その元気の良さに日々圧倒されるほどのエネルギーの持ち主です。

これから家族に迎える方は、やんちゃでたくさんの運動量が必要な犬種であることを忘れないでください。