フレンチブルドッグのしつけ方!トイレトレーニングや噛み癖の対処法をトレーナーが解説

フレンチブルドッグのしつけ方!トイレトレーニングや噛み癖の対処法をトレーナーが解説

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陽気で明るい性格のフレンチブルドック。力も強く、とてもパワフルな犬種で、一緒にいると思わず笑顔になる愛らしさがあります。そんなフレンチブルドッグと楽しい毎日を送るために必要なしつけについて、ドッグトレーナーの西岡が解説します。

フレンチブルドッグをしつける前に知っておくこと

フレンチブルドッグ

犬のしつけ方法は多種多様ですが、犬種に適したしつけ法を見つけるのがポイントです。さらに、飼い主が愛犬に合ったしつけ法を取捨選択していきましょう。

基本は主従関係よりも信頼関係

かつては「しつけ」というと、犬と飼い主の主従関係を築くことが基本であるといわれていました。しかし近年では、犬と飼い主がお互いに心を開き信頼し合うことが大切であると考えられています。

信頼関係を築くことができない飼い主の行動の例として、ネガティブな気持ちを犬に押し付けたり、頭ごなしに叱ったり、一貫性のない行動をすることなどが挙げられます。どんなに正しい方法でしつけをしていても、信頼し合えていない犬と飼い主がトレーニングをすることは難しいでしょう。




フレンチブルドッグの性格

黒いフレンチブルドッグ

フレンチブルドッグは、やんちゃで陽気な性格の犬種です。誰にでも友好的で距離感が近いため、大人しい犬には少し煙たがれることもあります。

さらに猪突猛進型なので、目標を定めると、一気にダッシュする元気とエネルギーがあります。これを一緒に楽しめる方が飼い主に向いているといえるでしょう。


フレンチブルドッグに見られる問題行動

引っ張るフレブル

フレンチブルドッグは、攻撃性のある犬種ではありませんが、力が強いため、問題行動を起こすようになると、飼い主が怪我をする恐れがあります。

子犬の頃からきちんとトレーニングできていることが理想的です。



噛み癖

フレンチブルドッグの多くはとても友好的で明るい性格ですが、牛と闘わせるために生み出されたブルドッグの血も引いていることから、闘争心や攻撃性に火がつくことがあります。

万が一そのような攻撃行動が見られる場合には、顎の力が強いので放置すると危険です。

噛み癖は、本来持つ犬種の特性以外に「社会化不足」や「信頼関係が築けていない」ことが原因です。


甘噛み

フレンチブルドッグは、いろいろと口に咥えようとします。遊んでいる最中は、人間の手もおもちゃと思い噛んでくることもあります。

痛みを感じるほどの力で噛んだときには、一旦遊びを中断し、クールダウンさせましょう。

遊ぶことが好きなフレンチブルドッグにとって遊びが中断されることはストレスと感じます。「どうすれば遊び続けることができるのか」を考えさせ、学習へと促しましょう。

成長過程で歯がかゆい子犬には、噛んで遊べるおもちゃを与えてください。




フレンチブルドッグに必ず教えたいしつけコマンド

近づくフレンチブルドッグ

まず、指示を出すときのコマンドは統一しましょう。1つの目的につき1単語が基本です。コマンドは、犬の興奮を抑える効果もあるので、緊急時にも役立ち、犬の安全を守ることができます。

フレンチブルドッグは、コマンドを覚えるのが少し苦手です。焦ることなく、根気よくトレーニングを行いましょう。

トイレトレーニング

フレンチブルドッグもほかの犬種と同じく、子犬の頃からのトイレトレーニングが大切です。

なかには家の中で排泄することを嫌がる犬種もいますが、フレンチブルドッグは屋内外問わず、教えた場所でできるようになります。

短頭種は特に熱中症に注意が必要なため、夏場はお散歩に行くことができる時間が限られます。

長時間室内にいることになるので、シートの上でも好きなときに排泄ができるよう、トレーニングしておきましょう。

おしっこをするときに「トイレ」や「ワンツー・ワンツー」と声をかけ、トイレの合図として定着させておくと、引っ越し後などもすんなりとトイレの場所を覚えさせることができます。

なかには飼い主の気を引くために、わざと間違った場所でおしっこをする犬もいます。そのような場合には、犬をクレートに入れるなどして飼い主が見えない場所に連れていき、犬がいない間に掃除をしましょう。




待て

「待て」は、ご飯やおやつをあげる前に教えると効果的です。完全に身体で覚えたら、毎回ご飯の度に無駄に待たせる必要はありません。拾い食いをしそうになったときなどに活用しましょう。

家の中だけではなく、どんな状況下でもできるように、普段からトレーニングしておくことが大切です。「待て」のひと言で行動をコントロールすることができるようになれば、危険の回避にもつながります。




おすわり

おすわりするフレンチブルドッグ

座ったらおやつをあげる」を繰り返して教えるのが一般的です。興奮しているときはもちろん、 お散歩中、信号待ちの際に飛び出さないように落ち着かせることで、危険を回避できます。

また、威嚇した様子の犬が近づいて来たときには、愛犬を道の端に座らせて、先に通過してもらうことでトラブルを防ぐこともできます。




ハウス

来客時や寝るとき、そして災害時などに必要なしつけです。インターホンが鳴ったときの無駄吠えなどをなくすためにも「ハウス」を使ったトレーニングは有効的。さまざまなしつけに応用して使えるコマンドです。




おいで

愛犬を呼び寄せるためのコマンドも大切です。

フレンチブルドッグはおもちゃで遊ぶことが好きなので、遊びや運動を兼ねて「おいで」のトレーニングをすると身につきやすいでしょう。

難易度が低いしつけなので、自信をつけさせてあげるために、しつけの導入としてやってみるのもおすすめです。

室内でできるようになったら、お散歩中やドッグランなど、屋外のいろいろな刺激がある中でもできるよう、しっかりトレーニングしましょう。




はなせ・渡せ

「はなせ・渡せ」は、顎の力が強いフレンチブルドッグには特に教えておきたいコマンドです。

口に入れてはいけないものを入れたときに、人間が口をこじ開けることはほぼ不可能なので、おもちゃなどを使って「はなせ」や「渡せ」のコマンドで口から出させるようにしておきましょう。

分離不安

寝ながらこっちを見るフレンチブルドッグ

お散歩や外出時に抱っこしたまま肌身離さず一緒にいることは、犬の社会化を妨げる原因にもなります。

これらは分離不安につながることもあり、お留守番ができなかったり、ペットホテルから宿泊を拒否されたりなど、生活にも影響が出てきます。

犬も人間と同じように、ほかの犬と触れ合ったり、ひとり遊びをしたりすることで、社会性を身につけます。

今まで社会化をしてこなかった犬が、突然「みんなと仲良く遊びなさい」と言われたり、飼い主さんがいなくなったりしたら不安になるのも無理はありません。そのせいで問題行動を起こすこともあります。

分離不安を治すためには、少しずつ時間をかけて社会化をしていくことが効果的です。飼い主への依存状態から脱却し、ほかの犬や人に慣れさせていきましょう。


フレンチブルドッグのしつけに必要なもの


フレンチブルドッグのしつけは、楽しい仕掛けを取り入れながら行うことが効果的です。

ご褒美(おやつ)

練習は繰り返し行うものなので、ご褒美として与えるおやつは、ひと粒が小さく、太りにくい食材でできているものがおすすめです。食べ過ぎないようにコントロールしながら与えましょう。

また、フレンチブルドッグは皮膚トラブルが多い犬種なので、アレルギー成分には留意してください。たくさん食べるので、太らせないように注意しましょう。

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おもちゃ

おもちゃで遊ぶことが好きなフレンチブルドッグには、飽きずに遊べるお気に入りのおもちゃを与えてあげてください。

特に引っ張り合いが大好きです。ただし口が大きい分、小さいおもちゃは飲み込む危険があるため、滑りにくく大きめのものを選ぶと安心です。

身体を使って遊ぶボールやロープのほか、一見運動につながらなそうなおもちゃでも、頭を使うものであれば体力を消耗し、ストレス発散につながります。

ハイタッチをするフレンチブルドッグ

クレートの中で落ち着かせるためにおもちゃを用意したり、咥えたものを離させるトレーニングにもおもちゃを活用できます。

むやみに与えるのではなく、飼い主の顔を見ることができたらおもちゃを与えるなどルールを作っておくと、その後のしつけにも応用しやすくなります。


クレート・サークル

夜寝るときやお留守番時だけでなく、トイレトレーニングや「ハウス」のコマンドトレーニング、無駄吠えをなくすトレーニングなど、さまざまなシーンで使います。愛犬にとってのお気に入りの場所になるよう、環境を整えてあげてください。


フレンチブルドッグが子犬の時期にしておくと良いしつけ

フレンチブルドッグの子犬

社会化トレーニング

フレンチブルドッグは猪突猛進型の犬種のため、成犬になったときに問題行動を起こす恐れがあります。きちんとしつけをすれば学習することができる犬種でもあるので、子犬の時期からトレーニングを始めましょう。

ほかの犬を威嚇しないようにするために、社会化トレーニングも必要です。早い段階から毎日少しずつ練習していくようにしましょう。


去勢

ホルモンの分泌を抑えることができる去勢も、問題行動の解決策の1つになることがあります。生後7〜10カ月までに行うと効果的といわれます。


フレンチブルドッグをしつける前にストレス軽減が大切

眠そうなフレンチブルドッグ

問題行動の原因がストレスの場合には、しつけよりも先に根本的な原因を取り除くことが優先です。

運動量を増やす

フレンチブルドッグは遊ぶことが好きな犬種なので、ボール遊びや引っ張り合いなどをしながら、遊ぶ時間が必要です。

呼吸器官にトラブルを抱えやすいため、短頭種ではない犬種のようにたくさん走ったりすることができません。

運動させすぎに注意しながら、遊びの時間を増やしてあげましょう。

音・環境に慣れさせる

雷や花火などの大きな音を苦手とする犬はたくさんいます。これらは自然現象なのでトレーニングで慣れさせることは難しいですが、パニックを起こしにくくする訓練は可能です。

日常的な音が原因で無駄吠えをするなら、防音対策をしたり、音の原因を取り除いたりするなどの対応も、可能な限りやってあげるといいでしょう。

しかし、犬にとって不快な雑音のすべてを取り除くことは難しいです。ただ、犬は人間よりも環境の変化に敏感に反応する生き物なので、日々その音を聞かせて慣れさせるというトレーニングを行うことで、その音に徐々に慣れていき、問題行動も減っていきます。


ボディーコントロール

身体のどこを触っても嫌悪感を抱かせないために行うトレーニングです。

フレンチブルドッグは特に、顔のしわや皮膚のお手入れが必須の犬種なので、日々のケアのためにも、顔を含めたボディーコントロールが大切です。

子犬の頃から毎日少しずつ、負担のない程度に身体のさまざまな箇所を触る訓練が効果的です。

膝の上に乗せてお腹を見せる「リラックスポジション」までできるようになることが、理想的な状態といえます。


フレンチブルドッグのしつけをトレーナーに依頼するメリット

おやつを見るフレンチブルドッグ

飼い主個人でしつけを行うにはどうしても難しい場合や、高いしつけ効果を望む方も多いと思います。そんなときは、プロにお願いするのも1つの方法です。

犬の社会化に効果がある

ほかの犬に吠えたり噛み付いたりする問題行動がある場合、個人で社会化のトレーニングをさせることは、危険やトラブルが伴うことがあります。

しかし、トレーナーのもとやしつけ教室では、複数の犬と交流できることが多いため、プロの指導のもと適切なトレーニングを行うことが可能になります。

愛犬のことを客観的に知ることができる

家で一緒に過ごす愛犬の姿だけを見ていると、家族としての一面しか知ることができません。しかし、しつけ教室なら家族以外にもきちんと心を開く姿を見ることができたり、ほかの犬に対する意外な反応を見ることができます。

愛犬を客観的に知ることで、愛犬と飼い主との絆が、より強くなるでしょう。


まとめ

人の腕で眠るフレブル

フレンチブルドッグは陽気な性格で、エネルギッシュな犬種です
子犬の頃からしつけや社会化トレーニングを行うことが大切
顎の力が強いため、噛み癖をつけないことや「はなせ・渡せ」のコマンドを教えることが重要

いつも家族を元気にしてくれる朗らかさが魅力のフレンチブルドッグ。

問題行動が多い犬種ではありませんが、興奮しやすいのでコントロールは必要です。正しくしつけを行い、フレンチブルドッグとの暮らしをより安全で楽しいものにしてください。

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