トイプードルのしつけをドッグトレーナーが解説!子犬から始められるトイレや無駄吠えも

トイプードルのしつけをドッグトレーナーが解説!子犬から始められるトイレや無駄吠えも

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可愛くて日本で大人気のトイプードル。一緒に暮らしやすいことでも有名な犬種です。しかし、その可愛さゆえに近年間違った認識で育ててしまう人が増加しており、それにより生じる問題行動も少なくないようです。問題行動を避けるためにはどう対処するのが好ましいのかや、トイレや無駄吠え、甘噛みのしつけ方法などについて、ドッグトレーナーの西岡が解説します。

トイプードルをしつける前に

世の中にはたくさんのしつけ本やメソッドがありますが、犬種ごとにそれぞれ適したしつけ方法が異なります。さまざまな情報に溢れているので、飼い主が愛犬にあったものを取捨選択をすることも大切です。

主従関係よりも信頼関係を築く

以前は「しつけ」というと、犬と飼い主の主従関係を築くことが基本であるといわれていました。しかし近年は犬を支配するのではなく、犬と飼い主がお互いに心を開き信頼しあうことが大切であると、専門家の間でも考えられています。

信頼関係を築くことができない飼い主の行動の例として、ネガティブな気持ちを犬に押し付けたり、頭ごなしに叱ったり、一貫性のない行動をすることなどが挙げられます。どんなに正しい方法でしつけをしていても、信頼しあう関係にない犬と飼い主がトレーニングをすることは難しいです。犬が安心できる環境を整えることから始めましょう。




トイプードルの性格の特徴を知る

トイプードルはもともと猟犬なので、運動することが好きな犬種です。小さくてぬいぐるみのような見た目ですが、実はとても運動能力が高いです。ストレスを溜めないためにも、毎日1時間程度のお散歩や、元気に走り回る場所、遊ぶ時間が必要になってきます。

頭脳面でも優れた記憶力と理解力があるので、飼い主の指示や楽しい遊び方もすぐに理解してくれますが、一方でその賢さから悪知恵も働かせやすいので、ルールをきちんと教えていくことも重要です。可愛らしい容姿にごまかされないよう、凛とした態度で接するようにしましょう。


トイプードルの問題行動

トイプーしつけ

トイプードルはもともと、ほかの犬種と比較してとてもしつけがしやすい犬種ですが、最近は問題行動を起こす犬も多いといわれています。お散歩中にほかの犬に吠える、噛み付くなどの行動が挙げられますが、これらのほとんどは、外出時に可愛いからと抱っこした腕の中から下ろさなかったり、落ち着いているように見えるからといってカバンの中から出さないなど、飼い主が常に肌身離さないことに原因があります。

犬も人間と同じように、ほかの犬と触れ合うことで社会性を身につけていきます。ある日突然みんなと仲良く遊びなさいと言われても、どうしたらいいのかわからないので、恐怖や縄張り意識から問題行動に出てしまうのです。

解決するためには、少しずつ時間をかけて社会化をしていくのが効果的です。依存状態から脱却することと、ほかの犬や人に慣れさせていくことを意識して行っていきましょう。犬と飼い主もお互いに依存から解放されたほうが精神的にも楽になるので、家の中でもべったりと行動を共にしている方は少しずつ自立するように努めてください。


トイプードルの飛びつき癖

人懐っこく遊ぶことが好きなので、人に飛びつくトイプードルは少なくありません。身体が小さいのであまり重要視されませんが、お散歩中に人に飛びついて服を汚してしまい、トラブルにつながることなども考えられます。

家の中でも飼い主に飛びついたら無視をしたり、「ノー」と教えることを徹底し、落ち着いておすわりができたらおやつをあげるなど、ご褒美を与えながら教えていきましょう。




トイプードルの甘噛み

遊んでいたら興奮して、甘噛みをすることが多いです。小さい口ではありますが、エスカレートすればもちろん怪我をすることもあります。

人がけがをするほどの強さで噛んだときは一度遊びを中断して、クールダウンさせましょう。成長過程で歯がかゆい子犬には、噛んで遊べるおもちゃを与えてください。




トイプードルのマーキング

特にオスの場合は、マーキングに悩むこともあります。家の中でおしっこをするのを嫌う犬種もいますが、トイプードルはそうではないため放っておいたらどんどんマーキングをするポイントも増えていきます。

本能でやってしまうので、去勢などが一つの解決策になることもあります。マーキングは行動そのものを止めさせるというよりは、縄張り意識を持つテリトリーを狭めていくことも効果的です。クレートケージのように、壁がついていて決まった場所で寝かせるようにするなど、本人が自分の場所だと認識する場所を限定していきましょう。




トイプードルのトイレトレーニング

トイレトレーニングのポイントは、叱らないことです。「上手にできたら褒める」を繰り返しましょう。できるだけ小さい頃から始めると、飲み込みも早いです。おしっこをするときに「トイレ」や「ワンツー・ワンツー」と声をかけてトイレの合図を定着させておくと、引っ越し後などもすんなりとトイレの場所を覚えさせることができます。

また、中には飼い主の気を引くためにわざと間違った場所でおしっこをする犬もいます。このケースでは犬をクレートに入れるなどして飼い主が見えない場所に連れていき、犬がいない間に掃除をしましょう。もちろん、遊んであげる時間が短すぎる場合には、根本から解決策を見つけてあげてください。




トイプードルに必ず教えたいしつけコマンド

芝生の上のトイプー

指示をするときのコマンドは統一しましょう。一つの目的につき1単語が基本です。コマンドは犬の興奮を抑えたり、緊急で瞬時にコントロールしたりするときに立ちます。

待て

「待て」は、ご飯やおやつをあげる前に教えると効果的です。「待て」を完全に身体で覚えたら、ご飯を前にして無駄に待たせる必要はないのですが、例えば拾い食いをしそうになったときなどに力を発揮します。普段からトレーニングしておきましょう。「待て」のひと言で行動をコントロールすることができるので、危険を避けることができます。




おすわり

「おすわり」や「すわれ」は、座ったらおやつをあげる、を繰り返して教えるのが一般的です。興奮しているときはもちろん、信号待ちで飛び出さないように落ち着かせることで危険を回避できます。また、威嚇した様子の犬が近づいて来ているときには、愛犬を道の端に座らせて、先に通過してもらうことでトラブルを防げます。




ハウス

クレートやケージに行かせるためのコマンドですが、来客時や寝るとき、そして災害時などに必要です。さらに、インターホンが鳴ったときの無駄吠えなどをなくしたいときにも、ハウスを使ったトレーニングは有効的です。さまざまなしつけに応用して使えるコマンドなので、ぜひマスターさせましょう。




トイプードルの子犬と成犬のしつけに大きな違いはない

トイプードルは賢く人が好きな犬種なので、成犬になってからでもしつけをすることは十分に可能です。大人になってから見られるようになった問題行動も、しっかりと解決することができます。

保護犬にはさまざまな背景があるので一概には言えませんが、保護されたトイプードルの成犬が新しい家族の暮らしに馴染むまでにかかる時間も、ほかの犬種と比較すれば早い方だといわれています。

トイプードルのしつけに必要なもの

トイプードルは遊ぶことが好きなので、遊びながら楽しくしつけると、より早く身につきます。

ご褒美(おやつ)

特にコマンドを教える際などは、ご褒美なしで進歩させるのは難しいです。繰り返して練習することが多いので、ひと粒が小さく、太りにくい食材でできているものがおすすめです。

食は太いほうではないので食べないことも多いですが、好みのおやつが見つかるまでいろいろ試してあげてみてください。

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おもちゃ

賢い犬種なので、頭を働かせるおもちゃを使った遊びが得意です。頭を使うと体力も消耗するので、ストレス発散につながり、問題行動が少なくなることもあります。そのほか、クレートの中で落ち着かせるためにおもちゃを用意したり、人のものを咥えたときに離させるトレーニングにも使えます。

むやみにあげるのではなく飼い主の顔を見ることができたらおもちゃを与えるなど、ルールを作っておくと、その後のしつけにも応用しやすくなります。


クレート・サークル

お留守番や夜寝る場所になるだけでなく、トイレトレーニングや「ハウス」のコマンドトレーニング、無駄吠えをなくすトレーニングなど、さまざまなシーンで使います。お気に入りの場所になるよう、環境を整えてあげてください。


クリッカー

しつけに加えていろいろな遊びや芸を教えたいときに、特に有効的なのがクリッカーです。頭のいいトイプードルなら、楽しみながらたくさんのことを吸収してくれるでしょう。

全てアイテムに言えることですが、好き嫌いがはっきりとした性格なので気にいらないものには本当に興味を示しません。おやつやおもちゃは特に、たくさんのバリエーションを用意するのがおすすめです。


トイプードルのしつけの前にストレス軽減が大切!

トイプーの顔アップ

問題行動の原因がストレスの場合には、しつけよりも先に根本的な原因を取り除くほうが優先度は高いです。

音・環境に慣れさせる

や花火などの大きな音を苦手とする犬はたくさんいます。これらは自然現象なのでトレーニングで慣れさせることは難しいですが、パニックを起こしにくくする訓練は飼い主と一緒にやることができます。

それ以外の日常的な音が原因で無駄吠えをするなら、防音をしたり音の原因を取り除くなどの対応も、可能な限りやってあげるといいでしょう。吠える度に飼い主に叱られるなど、犬にも飼い主にもストレスがたまってしまいます。

しかし、犬は人間よりも環境の変化に敏感に反応する生き物なので、犬にとって不快なすべての雑音を取り除こうとするのは難しいです。その場合は逆に日々その音を聞かせて慣れさせておくことで、徐々に問題行動も減っていきます。

慣れさせるには根気がいりますが、お互いの負担がグッと減ることを考えれば、意義のある時間だと思えるようになります。


ボディコントロール

身体のどこを触っても嫌悪感を抱かせないために行うトレーニングです。トイプードルは顔を含めた全身にカールした毛がたくさん生えているため、目やにや耳垢、足裏の毛のカットなどを頻繁に行う必要があります。そのケアをきちんとするために、ボディコントロールはとても重要なのです。

子犬の頃から毎日少しずつ、負担のない程度に身体の色々な箇所を触る訓練をしましょう。膝の上に乗せてお腹を見せる「リラックスポジション」と呼ばれるところまでコントロールできるようになると、理想的な状態といえます。


トイプードルのしつけをトレーナーや教室に依頼するメリット

木の上のトイプー

ここまでトイプードルのしつけに関するさまざまなポイントをご紹介しましたが、個人ではどうしても難しい場合や、高いしつけ効果を望む方も多いと思います。そんなときは、プロにお願いするのも一つの方法です。個人では得られないメリットもあります。

犬の社会化に効果がある

ほかの犬に吠えたり噛み付いたりする問題行動がある場合、個人で社会化のトレーニングをさせるのは危険やトラブルを伴うことがあります。しかし、トレーナーの元やしつけ教室では複数の犬と交流できることが多いため、プロの指導のもとトレーニングを行うことができるのです。


愛犬のことを客観的に知ることができる

普段家で一緒に過ごす愛犬の姿だけを見ていると、家族としての一面しか知ることができませんよね。トレーナーやしつけ教室なら、家族以外にもきちんと心を開く姿を見ることができたり、ほかの犬に対する意外な態度を見つけることができるかもしれません。愛犬を客観的に知ることで、飼い主との信頼関係をよりしっかりと築くことにもつながります。


トイプードルのしつけは未来の楽しいペットライフに!

ブームになった理由の一つに、飼いやすいことがあげられることは間違いありません。美しさをキープするには定期的なトリミングが必要ですが、抜け毛が少なく家も汚れにくいので、見た目に反して被毛に対するケアは少ないのです。しかし、顔まわりに関してはむしろほかの犬種よりもお手入れが必要だったり、接し方を間違えると問題行動を起こす犬種でもあります。ぜひ正しい知識を持って、トイプードルに適した方法でしつけを行ってくださいね。


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