【獣医師執筆】犬は豆乳を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】犬は豆乳を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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美容や健康に良いとされ、女性を中心に人気がある豆乳。シンプルな無調整豆乳以外にも、飲みやすい調整豆乳やさまざまなフレーバーの豆乳があるので、お気に入りの味があるという人もいるのではないでしょうか。ヘルシーなイメージがある豆乳は、犬が飲んでも大丈夫な飲み物です。でも、与えるときには気を付けないといけないことも。そこで、犬に豆乳を与えるときの注意点や与え方を詳しく紹介します。

犬が食べて大丈夫な豆乳の栄養成分

豆乳

豆乳の原材料は大豆です。大豆を豆腐に加工するときの豆腐の一歩前、固まる前の乳液上の状態のものが豆乳になります。そのため、豆乳に含まれる成分も大豆に似ています。


タンパク質

豆乳には、植物性タンパク質が豊富に含まれています。タンパク質は、人間だけでなく犬にとっても、丈夫な体作りのために必要な栄養素です。タンパク質は体内では生成されないので、食品などから摂取する必要があります。しかし、ドッグフードから十分に摂取できるため、豆乳を毎日あげる必要はありません。

マグネシウム

マグネシウムは体内にある300以上の酵素を助ける働きを持つミネラルです。子犬・成犬ともに、100gあたり0.04%〜0.3%のマグネシウムを摂取することが理想的とされています。一般的なドッグフード(マグネシウム含有量0.1%)100gで100mgのマグネシウムを摂取していることになります。

イソフラボン

活性酸素を除去してくれるので、若返り効果が期待できます。また、イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンに非常によく似た性質をもっています。人間の場合、エストロゲンは美容成分だけでなく、骨からカルシウムが溶け出すのを抑える作用があります。そのため、カルシウムの不足によって骨がもろくなってしまう、骨粗鬆症の予防のためにも大豆を食べることは効果的です。

サポニン

サポニンは抗酸化作用に優れた栄養素です。過剰な活性酵素を除去することで老化や免疫力の低下を防ぐ働きがあります。 しかし、胃の弱い犬にとっては下痢や腸の炎症の元になってしまいます。

犬に豆乳を与える際の注意点

豆乳

01【犬に豆乳を与える際の注意点】味付けはNG

犬に与えるときは必ず無調整豆乳を選ぶようにしてください。最近は、ブームが追い風となりさまざまな味の豆乳が登場していますが、これらには砂糖などの調味料が使われているため、犬に与えるのには向いていません。

豆乳はそのまま飲ませても良いですし、ごはんにかけたり、凍らせてアイスのようにしたりするのも良いでしょう。与えるときは少量からスタートして、様子を見ながら与えるようにしましょう。

02【犬に豆乳を与える際の注意点】与え過ぎ

前提として、犬は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

愛犬のカロリー計算をする

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03【犬に豆乳を与える際の注意点】結石

豆乳を過剰に摂取してしまうと、ストルバイト結石の原因となってしまうマグネシウムが含まれています。日常的にマグネシウム等のミネラルが多い食品などを多く食べていると、腎臓、尿管、膀胱、尿道の中で結石ができてしまう恐れがあります。

04【犬に豆乳を与える際の注意点】アレルギー

中には、豆乳の原料である大豆に反応してアレルギー症状をみせる犬もいます。アレルギーの主な症状は湿疹とかゆみですが、嘔吐や下痢、喘息、口周りの腫れなどを引き起こすこともあります。

ひどい場合だとアナフィラキシーショックになり、かゆみやむくみ、じんましん、血圧低下、不整脈、ショック状態、虚脱、呼吸困難、失禁、脱糞、意識障害、痙攣を引き起こす恐れもあり、処置が遅れてしまうと死に至ることもあります。豆乳を、初めて愛犬に与えたあとは、注意して様子をみるようにしましょう。

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。



犬は豆乳の加工品を食べても大丈夫?

豆乳クッキー

ヘルシー志向が高まる昨今、脂肪分が多い牛乳の代わりに豆乳を使った加工品が多く登場しています。せっかくなら愛犬と一緒に楽しみたいという人もいると思いますが、犬は豆乳の加工品を食べても大丈夫なのでしょうか?

豆乳クッキー

犬用に作られた市販の豆乳クッキーであれば、犬が食べても問題はありません。しかし、人が食べるために作られた豆乳クッキーは、砂糖やバターなどを使用していることもあります。糖尿病などにつながることもあるので、人用の豆乳クッキーは犬に与えないようしてください。

豆乳ヨーグルト

豆乳ヨーグルトは、乳成分の代わりに豆乳で作られたヨーグルトです。イソフラボンをはじめとした大豆の成分とともに、乳酸菌までもが摂取できると、女性を中心に注目を集めています。豆乳ヨーグルトは、犬に与えても大丈夫ですが、砂糖が入っていないプレーンタイプのものをあげるようにしてください。

豆乳ホイップ

乳製品を使わない豆乳ホイップは、アレルギーがある子どもがいるママに人気です。生クリームの代わりに使えば、乳製品にアレルギーがある人でもショートケーキが食べられるようになるなど、画期的な食材です。

豆乳ホイップも、犬が食べても良い食材ですが、こちらも豆乳ヨーグルト同様、愛犬と楽しむときは砂糖を入れずにホイップするようにしてください。豆乳ホイップを使った犬用ケーキも市販されているので、気になる人はチェックしてみましょう。

豆乳を使った犬用ごはん・おやつのレシピ

豆乳キッシュ

豆乳キッシュ

材料


豆腐 70g
鶏肉 50g
ブロッコリー 25g
しめじ 15g
プチトマト 1個
1個
豆乳 25cc
オリーブオイル 適量
パルメザンチーズ 少々

作り方

  1. プチトマトは輪切りに。ブロッコリーは茹でて適当な大きさに切っておく。鶏肉、しめじも食べやすい大きさに切っておく。
  2. ボウルに豆腐を入れて、泡立て器を使ってなめらかにした後、豆乳を加えてクリーム状にする。
  3. フライパンにオリーブオイルを入れて、鶏肉としめじを炒める。
  4. 3の具材に火が通ったら、2を入れてゆっくり混ぜて火を止める。
  5. 4に卵を溶いて入れ、よく混ぜたらブロッコリーも加える。
  6. 5を耐熱容器に入れ、トマトを飾りパルメザンチーズをふりかける。
  7. 200℃に温めたオーブンに5を入れ、様子を見ながら12〜20分ほど加熱する。
  8. 人肌程度に冷まして出来上がり。

◾️動画・詳細はこちらをご覧ください。

スイカでひんやり豆乳プリン

スイカプリン

材料

スイカ 150g
豆乳 80cc
ヨーグルト 少々
はちみつ 少々
粉ゼラチン 5g
黒ごま 適量
ミントの葉 数枚

作り方

  1. スイカは、飾り用に小さな三角形に切ったものを4つ用意し、残りはミキサーでジュース状にする。
  2. 鍋に1のスイカジュースと、豆乳、はちみつを入れて火にかけ、ふつふつと沸いてきたら火を止めて、粉ゼラチンを入れ混ぜる。
  3. 2の粗熱が取れたら、グラスなどの容器に注いで、冷蔵庫で冷やし固める。この際に、表面の気泡をつまようじなどで潰しておくと、綺麗に仕上がる。
  4. 3が固まったらヨーグルトをのせ、黒ゴマをスイカの種に見立ててつけた飾り用のスイカ、ミントの葉を飾ってできあがり。

◾️動画・詳細はこちらをご覧ください。

まとめ

犬

豆乳をあげる際は無調整のものを
過剰摂取はストルバイト結石の原因になる
栄養豊富な豆乳は、与え方に気を付ければ犬が飲んでも大丈夫な飲み物です。牛乳は犬に飲ませることをおすすめできませんが、代わりに豆乳を使えば、手作りごはんやおやつはぐんっとバリエーションが増えそうですね。与え方に注意しながら、ぜひ愛犬と豆乳を楽しんでください。

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